2000 Fiscal Year Annual Research Report
中空原子からの多重オージェ電子放出における電子相関の研究
Project/Area Number |
11440124
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小林 信夫 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30087100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 肇 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (30244411)
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
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Keywords | 中空原子 / 電子相関 / 多重励起原子 / 多重オージェ過程 / 多価イオン / 電子移行反応 / 位置敏感型検出器 / 電子分光 |
Research Abstract |
中空原子から同時に放出される多数のオージェ電子をもれなく検出して、そのエネルギーおよび角度相関を調べるためには、高速で応答する位置敏感飛行時間測定システムの開発が不可欠である。今年度は位置敏感検出器の開発に大きな進展があった。まず120mm径の大型検出器について、両端にいたるまで歪が少ない画像を得ることができた。これはバックギャモン方位置敏感方アノードによる新記録であり、次年度に専門誌で企画されている特集号において発表予定である。さらに電子をトラップするための均一磁場中で動作する位置敏感検出器の開発を行った。イオンの位置敏感飛行時間分析に利用されているバックギャモンアノードと高抵抗フィルムを組み台わせ、真空中に電子を長く飛行させることなく電子を適当な大きさに広げて検出するところが新規な点である。MCPにマスクをかけてイメージを測定し、画像歪と位置分解能について評価を行ったところ良好な結果を得た。この検出器は外部場の影響を受けず、またコンパクトで使用勝手が良いので種々の実験に応用可能である。以上の結果は専門誌に投稿準備中であり、次年度の原子衝突国際会議においても発表する。次年度の衝突実験に向けて衝突装置の設計がほぼ完了し、現在工場で製作が進んでいる。 また解析アルゴリズムについても大きな変更を加えた結果、時間分解能2nSを達成した。これは現在使用しているオシロスコープの限界であり、今年度末に納入される高速機によってさらに高い時間分解能が得られると期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanuma 他: "Polarization spectroscopy of O^<S+> (1S^23P) states produced in the collision of O^<6+> with He and H_2"J.Phys.B : At.Mol.Opt.Phys.. 33. 5091-5098 (2000)
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[Publications] T.Nishide 他: "Dissociation of highly charged CS_2 formed by low energy collision of HOI"Phys.Scripta. (in press).