2000 Fiscal Year Annual Research Report
GPS統合処理によるアジア〜太平洋のテクトニクスの研究
Project/Area Number |
11440129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 美子 東京大学, 地震研究所, 助手 (60012944)
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Keywords | テクトニクス / GPS / 衝突境界 / インド / スンダブロック / アムールプレート |
Research Abstract |
昨年度に基本的な計算機システムを構築したことをふまえ,本格的な解析に着手した.本研究では,個別に行われているアジア〜太平洋にかけての地域のGPS研究を統合し,統一したベクトル場を構築してテクトニクスを論じようとするところにある.このため,この地域で実施されている多くのGPS観測研究をレビューした.この結果,小竹(2000)によるWINGのベクトル場がその観測点数,カバーする領域等から基準のベクトル場とすることがもっとも適当であろうとの結論に至った.次に,利用可能な個別のベクトル場を調査したところ,8件の文献から変位速度ベクトルとその誤差評価を得ることができた.そこで,これらのベクトル場を上記の小竹によるベクトル場に統合処理した. まだ予察的ではあるが,このような処理により以下のことが判明しつつある. 1)東南アジアではインド東北で回転するブロックと北東に進みつつあるスンダブロックが衝突しつつある 2)インドの衝突は中国大陸(チベット北方)で東向きに急回転する 3)東方への変位は南中国ブロックにはばまれる 以上の予察をもとに,今年度は簡単な弾性薄板モデルでどこまで近似できるかを検討した.その結果,上記のうち,インドの衝突の東方への急回転は,チベット北方に存在するアムールプレートの東方への移動が関わっている可能性のあることが指摘された.また,インド北東部におけるXianshuihe-Xiaojiang断層系がブロック境界として重要な役割を果たしている可能性のあることが明らかとなった.また,それによる東南アジアでの衝突はこれまで言われているようにRed River断層ではなく,それより少し南側が境界となっている可能性のあることが明らかになった.
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Research Products
(1 results)