2001 Fiscal Year Annual Research Report
GPS統合処理によるアジア〜太平洋のテクトニクスの研究
Project/Area Number |
11440129
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 教授 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 真一 東京大学, 地震研究所, 助手 (00334285)
小竹 美子 東京大学, 地震研究所, 助手 (60012944)
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Keywords | テクトニクス / GPS / 衝突境界 / インド / スンダブロック / アムールプレート |
Research Abstract |
本年度は,昨年度までに実施した研究を引き続き実施すると共に中間成果を各種研究集会において発表しとりまとめを行った.2001年8月にハノイで開催された「国際地震学地球内部物理学協会」総会及び同年12月にサンフランシスコで開催された「米国地球物理学連合」秋季大会に出席して研究成果を発表した.データ解析を進め,西太平洋GPS観測網(WING)で取得されているデータを1998年末まで解析した.また,フィリピン海プレート内部のGPS観測データを再解析すると共に,ユーラシア安定地塊に相対的なオイラー極を再決定した.また,タイにおけるGPS観測のデータを取りまとめた.他の資料とあわせて議論すると,インドシナ半島の大部分はいわゆるスンダブロックとして剛体的に東におよそ3cm/yrで変位するものの,北方においてはチベットから右回転してくる地塊と年約3cm/yrで衝突していることが明らかになった.これまでスンダブロックと北方の地塊の境界はいわゆるレッドリバー断層とされてきたが,この断層の西半分の地域においては断層の南側まで変形領域がしみだしていることが判明した.以上のようにアジア〜西太平洋にかけての地域の統合処理が進み,テクトニックな変形の様子が明らかになってきたが,このような変形が日本列島へどのような影響を及ぼし日本列島及びその周辺での地震発生にどのような影響を及ぼしているか,という点について研究をはじめた.この課題に取り組むため,研究分担者が米国を訪問し,4次元データ同化の手法について最新の情報を入手した.この研究においては日本列島で取得されているGPS全国データに基づき,時間依存インバージョンの手法を基礎として,新しいデータを取り込みつつモデルを改良し近未来を予測する手法を開拓しようとする.この研究はまだはじまったばかりであり,来年度においてより詳しく調査される予定である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 加藤照之: "最近のGPS観測網整備について"自然災害科学. 19・4. 402-406 (2001)
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[Publications] 田部井隆雄, 加藤照之, 他3名: "GPS観測から見たフィリピン-インドネシア東部の地殻変動"月刊地球. 23・1. 70-75 (2001)