2000 Fiscal Year Annual Research Report
大気重力波エネルギーの緯度・経度・高度分布に関する気候学的研究
Project/Area Number |
11440142
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30115886)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 厚 国立環境研究所, 研究員
堀之内 武 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (50314266)
中村 卓司 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (40217857)
吉原 貴之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 学振特別研究員
|
Keywords | 大気重力波 / 重力波 / GPS / GPS掩蔽法 / ライダー / スポラデイックE層 / 山岳波 / 積雲対流 |
Research Abstract |
GPS掩蔽法による大気重力波のグローバル分布解析 昨年度に、衛星搭載受信機によるGPS掩蔽観測データの処理方法の改良を行ったが、今年度はこれを用いて大規模な再解析を行い、短い鉛直スケールの重力波のエネルギーを全球的に求めた。その緯度分布を調べたところ、中高緯度より低緯度で大きくなっていることが示された。低緯度では積雲対流が盛んであり、それにより励起された重力波が卓越していると考えられる。実際、熱帯でも積雲対流の盛んな経度帯で重力波のエネルギーが大きくなっていた。一方、中高緯度でもアンデス付近では重力波のエネルギーが大きいなど、山岳起源と考えられる重力波が観測された。さらに、GPSによる電子密度観測から、この付近では電離層のスポラデイックE層生成が盛んであることが示された。 GPSダウンルッキング法の開発 上記の掩蔽法を発展させた手法により、GPS電波を高い山岳上で受信して気温や水蒸気量の鉛直分布を求める方法の開発に着手した。これにより、衛星に受信機を搭載するより遥かに安価に観測が行えるようになると期待される。 ライダー観測 信楽MU観測所に設置したライダーにより、成層圏気温の観測を行った。これにより今まで他の手段では観測出来なかった上部成層圏の大気重力波が観測され、周期数時間の重力波が鉛直伝播していることが示された。
|
-
[Publications] Nishida,M.,T.Tsuda,C.Rocken,and R.H.Ware: "Seasonal and longitudinal variations in the tropical tropopause observed with the GPS occultation technique (GPS/MET)"J.Meteorol.Soc.Japan. (In press). (2001)
-
[Publications] Tsuda,T.,M.Nishida,C.Rocken and R.H.Ware: "A global morphology of gravity wave activity in the stratosphere revealed by the GPS occultation data (GPS/MET)"J.Geophys.Res.. 105・D6. 7257-7273 (2000)
-
[Publications] Nakamura,T.,S.Morita,T.Tsuda 他: "Horizontal structure of wind velocity field around the mesopause region derived from meteor radar observations"J.Atmos.solar-Terr.Phys.. (submitted). (2001)
-
[Publications] Nakamura,T.,T.Tsuda 他: "Seasonal variation of gravity waves with various temporal and horizontal scales in the MLT region observed with radar and airglow imaging"Adv.Space Res. (submitted). (2001)