2002 Fiscal Year Annual Research Report
変形微細組織を利用した古歪速度計の開発とマントル流動測定への応用
Project/Area Number |
11440149
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
道林 克禎 静岡大学, 理学部, 助教授 (20270978)
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Keywords | 地質学 / 地球科学 / 構造地質学 / マントルリソスフェア / オマーンオフィオライト / かんらん岩 / レオロジー / 古歪速度計 |
Research Abstract |
かんらん岩の変形微細組織-特にスピネル粒子の形態-を利用してマントル流動について研究する目的で本研究を行った.スピネル粒子はこれまでの研究から主に拡散クリープによって変形すると考えられていたが,本研究の解析から転位クリープも重要なメカニズムとして働いていることがわかった.そのため古歪速度計として活用する前にスピネルのレオロジーを再検討する必要が生じ,本研究期間内でオマーンオフィオライト・ヒルチ岩体の様々な条件で変形したかんらん岩のスピネルの解析を行った.その結果,スピネルに働く拡散クリープは低温ほど著しいだけでなく,転位クリープもまた低温条件ほど強いことがわかった.これについて低温では流動応力がより増大するためであると考察された.古歪速度計は拡散クリープだけを前提とした理論から成り立っているため,理論から見直す必要があることわかった.これは今後の検討事項である.この研究課題を通じてオマーンオフィオライトのテクトニックな背景を知るためにオリビンの結晶方位異方性を解析した.その結果,海洋プレートマントルリソスフェアの内部構造には強い力学特性が存在するらしいことがわかった.さらに,マントルリソスフェアに発達する延性剪断帯は初期の力学特性の影響を受けながら発達するらしいことがわかった.これらの成果については国際会議や国際誌に発表を予定している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Michibayashi, K., Mainprice, D.: "The role of pre-existing mechanical anisotropy on shear zone development within oceanic mantle lithosphere : an example from the Oman ophiolite"Journal of Petrology. (印刷中).
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[Publications] Arai, S., Takada, S., Michibayashi, K., Kida, M.: "Petrology of peridotite xenoliths from Iraya volcano, Philippines, and implications for mantle wedge processes beneath arcs"Journal of Petrology. (印刷中).
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[Publications] 道林克禎, 戸上昭司, 足立佳子, 内山尚和: "走査型X線分析顕微鏡画像の解析による層状斑れい岩の鉱物分布マップの作成"静岡大学地球科学研究報告. 29. 103-112 (2002)