2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440151
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
板谷 徹丸 岡山理科大学, 自然科学研究所, 教授 (60148682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 新 岡山理科大学, 理学部, 講師 (40207650)
蜷川 清隆 岡山理科大学, 理学部, 助教授 (80098590)
兵藤 博信 岡山理科大学, 自然科学研究所, 講師 (50218749)
田中 秀実 愛媛大学, 理学部, 助手 (40236625)
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Keywords | 地震 / 震源域物質 / 断層ガウジ / 雲母粘土鉱物 / 年代測定 / K-Ar法 / Ar-Ar法 / 放射線損傷法 |
Research Abstract |
震源域物質としての様々な断層岩類を特定するとともに、先端的なK-Ar及びAr-Ar年代測定法や放射線損傷法を用い震源域物質の年代測定を実施することが本研究の目的である。 昨年度、研究協力者によって日本及び外国の断層岩類(跡津川断層、棚倉構造線、韓国尉山断層、ネパールMCT帯など)の採集が実施された。その断層ガウジから水簸法によって分離された雲母粘土鉱物の結晶度測定と年代測定を実施した。 ネパールMCT帯:結晶度指数は0.2弱の値を示し、得られた年代は約3Maであった。これまでに報告されている母岩の白雲母Ar-Ar年代(5〜10Ma)より明らかに若い。棚倉構造線:結晶度指数は0.3弱の値を示す。得られた年代は40〜50Maである。断層ガウジの変形は中新世まで継続していたと推定されるが、その後の活動では年代の若返りは被っていない。韓国尉山断層:雲母粘土鉱物は主にスメクタイトである。得られた年代は38〜46Maであり、この断層ガウジについてもその後の断層活動による年代の若返りは被っていない。跡津川断層系:花崗岩起源の断層ガウジについては粒度が小さくなるにしたがい年代が若くなる傾向が認められた。堆積岩起源の場合は粒度による年代のばらつきが大きい。それぞれの断層ガウジについて60Ma近傍というほぼ同様の年代を示した。 スメクタイトの膨潤層に吸着されている吸着KイオンによるK-Ar年代の異常を検討した。層間KイオンをNH4イオンで置換してK-補正することにより年代はスメクタイトの相対的な量比によって約2〜5%古い値を示すことがわかった。 本研究に関連した研究会(震源域物質の年代測定)と国際シンポジウム(Tectono-Metamorphic History of East Gondwana)を岡山理科大学で開催し、研究方針を確認した。また、これまでの実績を研究論文として発表した。
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[Publications] Nishimura,Y.,Coombs,D.S.,Landis,C.A.and Itaya,T.: "Continuous metamorphic gradient documented by graphitization and K-Ar age, southeast Otago, New Zealand."American Mineralogist. 82. 1625-1636 (2000)
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[Publications] Nam,T.N.,Hyodo,H,Itaya,T.and Matasuda,T.: "Early Proterozoic tectonothermal event south of the red river shear zone in Vietnam : First evidence from 4OAr/39Ar dating of single grain hornblende."Viet.Nat.Univ.J.Sci.Nat.Sci.. 16. 26-34 (2000)
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[Publications] 兵藤博信,板谷徹丸,松田高明: "レーザーマイクロプローブ40Ar/39Ar年代測定"地学雑誌. 109巻6号. 827-835 (2000)
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[Publications] Ninagawa,K,Kitahara,T.,Toyoda,S.and otthers: "Thermoluminescence dating of the Ryukyu Limestone"Quatern.Sci.Rev.. 20. 829-833 (2001)
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[Publications] Toyoda,S.,Rink,WJ.,Yonezawa,C.and Kagami,T.: "In-situ production of alpha particles and alpha recoil particles in quartz applied to ESR studies of oxygen vacancies."Quatern.Sci.Rev.. 20. 1057-1061 (2001)
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[Publications] Tanaka,H.,Fujimoto,K,Ohtani,T.and Ito,H.: "Role of each shear zone in a fault zone during seismic cycles, clarified by structural and chemical characterization of fault rocks along the GSJ core penetrating."Journal of Geophysical Research. (印刷中).