1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小澤 一仁 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (90160853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 裕子 (永原 裕子) 東京大学, 理学系研究科, 助教授 (80172550)
山下 茂 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (30260665)
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Keywords | 拡散 / かんらん石 / 蒸発 |
Research Abstract |
本年度は、かんらん石中のFe-Mg相互拡散係数を蒸発法によって決定した。Mg/(Mg+Fe)値が約90であるサンカルロス産の大型単結晶を購入し、結晶軸方向に軸を持つ直方体に切り出して出発物質とした。実験は主として1400℃において行ったが、1500℃と1300℃の実験も行った。1400℃および1500℃での真空蒸発後のかんらん石は、その表面組成とX-線回折パターンから、Mg/(Mg+Fe)値が98以上のかんらん石であり、Fe成分がより選択的に一致蒸発したことがわかった。1500℃の長時間の実験生成物は転位からの選択的な蒸発のために、非常に凹凸の激しい表面のかんらん石であった。このために、かんらん石内部のFe-Mg分布が不規則となり、蒸発速度と拡散係数の決定は1400℃に限って行った。表面組成に依存する界面移動を伴う1次元拡散モデルを拡散係数の組成依存性を考慮して適用し、全蒸発速度とその組成依存パラメータ、Fe-Mg分別係数、拡散係数とその組成依存パラメータをa,b,c各軸方向について、表面組成と内部の組成分布を再現するように最適化した。その結果、蒸発速度と拡散速度はc,b,aの順に小さくなることがわかった。c軸方向の値は、2.6x10^<-10>±0.8(m/sec)および8.7x10^<-15>±2.8(m^2/sec)と決定された。a軸方向の拡散係数と蒸発速度は、ともにc軸方向の約1/5であった。決定した拡散係数は、界面後退を伴う現象に基づいて決定されてはいるが、その界面組成が実験開始後すぐにMg成分に富む値に固定され、その値は実験中はほとんど変化しないので、推定された拡散係数は充分信頼できるものである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ozawa, K. and Nagahara, H.: "Kinetics of diffusion-controlled evaporation of Fe-Mg olivine : experimental study and implication for the stability...."Geochim. Cosmochim. Acta. 64. 173-189 (2000)
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[Publications] Nagahara, H. and Ozawa, K.: "Isotopic fractionation as a probe of heating processes in the solar nebula"Chem. Geol.. (印刷中). (2000)
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[Publications] Nagahara, H. and Ozawa, K.: "Mechanism of forsterite evaporation as inferred from surface microstructures"Proc. Japan Acad.. 75-B. 29-34 (1999)