1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440173
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (20202418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 純 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (50272711)
恩田 健 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60272712)
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Keywords | フェムト秒レーザー / パルスシェイピング / 遺伝的アルゴリズム / 進化型アルゴリズム / 超高速過程の制御 / 発光スペクトルの制御 / パルス圧縮 / パルス波形の制御 |
Research Abstract |
今年度はフェムト秒レーザー励起用のNd:YVO_4レーザーを購入することで、それまでマシンタイムを決めて使い回していたレーザーシステムの時間的制約を無くし、効率良い実験を行うことができた。その結果、液晶空間光変調器を用いた波形制御システムを組み上げることができた。また、今年度後半からは、この波形制御システムのコントロールに遺伝的アルゴリズムを用いたフィードバック制御を取り入れ、着目する過程を進行させるのに有利なパルス波形を自動的に探索・発生させることに成功した。このシステムの評価と改良を目的として、人為的に時間幅を広げたフェムト秒パルスの再圧縮の実験を行い、制御プログラムの改良及びプログラムに含まれる各種パラメータの最適化を行った。さらに、表面のような揺動の大きな環境における反応制御の可能性を確かめるために、エタノールに溶かした色素の発光スペクトルの制御を試みた。具体的には、レーザー色素であるローダミン610のエタノール溶液に中心波長800nmのフェムト秒パルスを照射し、その結果得られる発光ピーク(ピーク波長610nm)の短波長側(580nm)と長波長側(650nm)のそれぞれの波長の発光強度が強くなるようなパルス波形の探索を行った。その結果、指定した波長の発光強度を選択的に強めることが可能であることを確認した。この実験では、入射光より発光の方がエネルギーが高いことから、励起は2個の光子が絡んだ励起過程であり、発光強度の波長選択は励起の中間状態が重要な役割を果たしていると考えている。また、この結果は溶液ような揺動の大きな系でもエネルギー移動の制御が可能であることを意味している。今後は、このシステムを用いて表面反応の制御、特に反応選択性の制御の実験を行う予定である。具体的には、ニッケル表面上におけるギ酸の分解反応(HCOOH→H_2O+CO、H_2+CO_2)の選択、メタノールの分解反応の促進等を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Bandara,J.Kubota,K.Onda,A.Wada,K.Domen,and C.Hirose: "Short-lived reactive formate species on NiO(111)observed by picosecond temperature jump"Surface Science. 433/435. 83-87 (1999)