2001 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界CO_2中における遷移金属錯体分子のダイナミクスのNMR法による研究
Project/Area Number |
11440176
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 太郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50107083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 尋量 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (40189080)
上田 貴洋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70294155)
宮久保 圭祐 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70263340)
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Keywords | 超臨界流体 / キセノン / 二酸化炭素 / 高圧NMR / 細孔性物質 / モレキュラーシーブ / 触媒 / ダイナミクス |
Research Abstract |
モレキュラーシーブは典型的なゼオライトで、ミクロ細孔を有する。今回、細孔径1.0nmのモレキュラーシーブ13Xおよび細孔径0.5nmの5Aの粉末脱水試料に吸着されたXeの臨界点付近での吸着挙動を、本研究課題で製作したin situ固体高圧(200気圧)高分解能NMRプローブを用いて調べ、両者の吸着特性を比較検討した。 モレキュラーシーブ13Xの脱水粉末試料に吸着されたXeの129Xe NMRではfree Xe gasおよび吸着されたXeに対応する共鳴線がそれぞれ高磁場側と低磁場側に観測され、特徴的な化学シフトの圧力依存性を示す。5A試料の場合、吸着されたXeに由来するピークの化学シフトの圧力依存性から、Langmuir型の均一な吸着が起こっていると考えられる。一方、13X試料の場合は、圧力依存性はLangmuir型ではうまく記述できなかった。free Xe gasのピークは、両方の試料とも6MPa付近で低磁場にシフトする度合いが強くなるが、これはXeの臨界圧が6MPa付近であることに起因する。つぎに、13Xの場合、低圧側では見られなかった新たなブロードなピークが4MPa付近から現れた。このピークは、圧力が高くなるにつれて高磁場側にシフトし、Xeの臨界点付近からは、低磁場側にシフトした。また線形は高圧になるにつれてシャープになった。この現象は、細孔の内外のXeの交換スピードが速くなり、4MPaくらいからその交換ピークが観測されるためであると考えられる。このピークは13Xに特有で5Aの場合には見られなかった。これは、5Aでは細孔内とfree Xeとの交換が起こりにくいためと思われる。 これらの結果をまとめて、7月21日から26日にドイツのハイデルベルクで開催されるICCC35において成果発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Bunsow Nagasaka: "High-Pressure ^<129>Xe NMR Study of Supercritical Xenon Interacting with Polymers"Chemical Phy sics Letters. 340. 473-478 (2001)
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[Publications] 中山尋量: "特異な条件下でのガスハイドレートの形成"高圧力の科学と技術. 12・1. 10-15 (2002)