1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440178
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
城丸 春夫 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (70196632)
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Keywords | 多価イオン / クーロン爆発 / 分子構造 / ECR / 多次元検出器 / 位置敏感飛行時間測定 / 炭素クラスター / 位置敏感アノード |
Research Abstract |
本年度は計画初年度であり、主として装置開発に力を入れた。主な研究実績は以下のとおりである。 1:新しい多次元検出器の開発に関しては、有感部40mm位置敏感アノードの試作品(セラミック製)を完成させた。ついで大型検出器(有感部120mm、ガラスエポキシ)の製作を進めており、これは12年度早々に完成予定である。これらの検出器を使用することで検出効率、分解能の飛躍的な改善が期待できる。 2:多価イオン収率の改善と金属多価イオン生成を目指して、ECRイオン源の大幅な改造を行った。改造作業は3月はじめに終了し、現在真空槽の枯らし運転中である。 3:CO2,CS2分子と多価イオンの衝突、クーロン爆発実験を行った。本年度は特にクーロン爆発で得られる分子構造のイメージが入射イオンの価数、エネルギーにどう依存するかを調べた。その結果クーロン爆発過程を支配する最も重要な因子は、多価分子イオンの荷電状態であることがわかった。この結果は内外の学会で報告するとともに一部論文として発表した。 4:多次元検出システムの開発、クラスターの発生等に使用するために新たに真空装置を作成した。この装置にオーブンを取りつけ炭素クラスター蒸気発生の予備実験を行った。ついで炭素クラスターと多価イオンビームの衝突実験を行ったところ、オーブンに由来する電子が測定上問題となることがわかったので、現在オーブンの改良を行っている。 5:信号解析システムの改良を行った結果、今まで見逃していたクーロン爆発イベントを正しく拾うことが出来るようになった。過去の実験結果を解析し直したところS/N比の改善が見られた。
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