2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 晋一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 邦重 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40252712)
山口 和也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80252550)
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Keywords | 脱窒菌 / 亜硝酸還元酵素 / 銅タンパク質 / タイプ1銅 / タイプ2銅 / 変異体 |
Research Abstract |
脱窒菌Alcaligenes xylosoxidans GIFU1051由来の青色銅含有亜硝酸還元酵素(NIR)は、タイプ1銅において電子伝達タンパク質からI電子を受け取り、その電子をタイプ2銅に移動させてタイプ2銅に結合している亜硝酸イオンを一酸化窒素に還元する。本年度は、触媒反応部位であるタイプ2銅の周りの銅に配位していないが水素結合ネットワークを形成しているHis255残基やAsp98残基の役割を調べるために、これらを変換した変異体を作成して、タンパク質内電子移動反応を測定した。そして、昨年度に測定した基質還元触媒反応と比較検討した。 作製した変異体はHis255をAlaに変えたHis255Ala、Asp98をAlaに変えたAsp98Alaである。これらの変異体は、酵素遺伝子を発現ベクターのマルトース結合タンパク質をコードする遺伝子の下流に結合し、大腸菌内で発現させた。得られた変異体では、吸収、EPRスペクトルからタイプ1銅とタイプ2銅が野生型NIRと同じ構造を取っていることが確認された。野性型および2つの変異型NIRのタイプ1銅からタイプ2銅へのタンパク質内電子移動反応速度定数(k_<ET>)を、パルスラジオリシス法によって求めた。野生型NIRのデータと比較すると、変異体ではいずれも異常な値を示しており、His255残基とAsp98残基が、電子移動における反応制御に重要な役割を演じていることが明らかになった。また、k_<ET>のpHプロフィルはpH6付近に極大値を持ち、亜硝酸イオンの還元速度定数のものと極めて良く一致していた。この事実は、両反応が相互に密接に関連していることを示している。
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[Publications] K.Kataoka,H.Furusawa,K.Takagi,K.Yamaguchi,S.Suzuki: "Functional Analysis of Conserved Aspartate and Histidine Residues Located Around the Type 2 Copper Site of Copper-Containing Nitrite Reductase"Journal of Biochemistry. 127. 345-350 (2000)
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[Publications] S.Suzuki,H.Furusawa,K.Kataoka,K.Yamaguchi, et al.: "Intramolecular Electron-Transfer Process of Native and Mutant Forms of Blue Copper-Containing Nitrite Reductase from Alcaligenes xylosoxidans"Inorganic Reaction Mechanism. 2. 129-135 (2000)
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[Publications] S.Suzuki,K.Kataoka,K.Yamaguchi: "Metal Coordination and Mechanism of Multi-Copper Nitrite Reductase"Accounts of Chemical Research. 33. 728-735 (2000)
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[Publications] Deligeer,K.Kataoka,K.Yamaguchi,S.Suzuki,: "Spectroscopic and Electrochemical Properties of Cytochrome c551 from Alcaligenes xylosoxidans GIFU 1051"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 73. 1839-1840 (2000)
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[Publications] K.Kataoka,A.Kondo,K.Yamaguchi,S.Suzuki: "Spectroscopic and Electrochemical Properties of the Met86Gln Mutant of Achromobacter cycloclastes Pseudoazurin"Journal of Inorganic Biochemistry. 82. 79-84 (2000)