1999 Fiscal Year Annual Research Report
液体上展開単分子膜の偏光変調赤外外部反射分光法による研究
Project/Area Number |
11440204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
梅村 純三 京都大学, 化学研究所, 助教授 (90027061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 洋 平安女学院短期大学, 講師 (90310648)
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Keywords | 偏光変調赤外外部反射装置 / ステアリン酸亜鉛 / 12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛 / ラングミュア膜 / 偏光赤外外部反射スペクトル |
Research Abstract |
まず、主要設備である偏光変調赤外外部反射装置の構成部品である、外部光学系ユニット、外部反射光学ユニット、光学弾性モジュール(PEM)、ロックインアンプ、MCT-A検出器、および制御・解析ソフトウエアーの各部分につき、微調整・使用法の確認等を繰り返し、現有のステップスキャン方式のニコレー850型FT-IR分光光度計にとりつけ、水面上の外部反射スペクトルの観測に耐え得るよう、設定した。ついで、展開物質には、ステアリン酸および12-ヒドロキシステアリン酸を選び、設定した。ついで、展開物質には、ステアリン酸および12-ヒドロキシステアリン酸を選び、下層水にはZnCl_2水溶液を用い、生成した各亜鉛塩のラングミュア膜の、種々の表面積での偏光赤外外部反射スペクトルを測定し、その解析を行った。ステアリン酸亜鉛のラングミュア膜においては、表面積の変化に対し、CH_2の伸縮振動バンドは、波数、吸光度ともに変化は見られなかった。これは炭化水素鎖の配向とコンフォメーションには変化が起こらなかったことを意味する。一方、カルボキシレートの伸縮振動バンドの波数には変化が見られた。これはカルボキシレート基の構造変化に対応しているものと考えられる。また12-ヒドロキシステアリン酸亜鉛とステアリン酸亜鉛のラングミュア膜とでは、炭化水素鎖軸の、膜面の法線方向に対する配向に違いが見られた。表面圧緩和過程における、亜鉛原子の配位数の変化に伴うスペクトル変化等が観測できるかどうかについては、今後検討する予定である。
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