1999 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性有機溶媒と水との均一混合溶媒を用いる抽出分離法の新展開
Project/Area Number |
11440217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40039285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 潤 佐賀大学, 機器分析センター, 助教授 (80253582)
高椋 利幸 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (70291838)
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Keywords | 混合溶媒 / 水 / アセトニトリル / 1,4-ジオキサン / 溶媒クラスター / 中世子小角散乱 / HPLC / カテキン |
Research Abstract |
本年度は混合溶媒の小角散乱および混合溶媒を用いる高速液体クロマトグラフィーを行いつぎの結果を得た。 1.中性子小角散乱による混合溶媒中の溶媒クラスターの測定 水-アセトニトリル、及び水-1,4ジオキサン混合溶媒中の溶媒クラスターの生成の様子を、溶媒の種々のモル比について高エネルギー加速器機構中性子研究所(筑波)で、中性子小角散乱の測定を行った。その結果、均一混合溶媒中でも、ミクロに見れば、溶媒の濃度揺らぎがあり、クラスターが生成していることがはっきりと分かった。水-アセトニトリル系と水-ジオキサン系とではクラスターの生成の様子が大きく異なった。水-アセトニトリル系では、アセトニトリルのモル分率0.4で最大値を示し、Debye correlation lengthから求めたクラスターの半径は20Åであった。一方、水-ジオキサン系では1,4-ジオキサンの増大とともに単調に増大した。即ち、アセトニトリルの方が小さなミクロクラスターを生成しやすいことが明らかとなった。 2.HPLCによるカテキン類の分離に対する混合溶媒の効果 4種のカテキンを水-アセトニトリル混合溶媒を用いて分離した。しかし、分離能が悪く、しかも長時間かかった。そこで、2-5%の酢酸エチルエステルを水の代わりに加えたところ、4種のカテキンが十分分離し、短時間で溶離することを見出した。酢酸エチルエステルがODSの表面をカバーすることと、カテキンの酢酸エチルエステルと水への分配の違いが4種のピーク分離を可能としていることが明らかとなった。 このように、混合溶媒では、ミクロに見れば不均一であり、それが溶質の分離に大きく寄与していることが明らかになった。クラスター間の溶質の分配についてははっきりしないので、更に研究をすすめる必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Toshiyuki Takamuku: "Structure and dynamics of 1,4-dioxane-water binary solutions studied by X-ray diffraction,mass spectrophotometry,and NMR relaxation"Journal of Molecular Liquids. 83. 163-177 (1999)
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[Publications] Midori Kumamoto: "Enhanced separation and elution of catechins in HPLC using mixed-solvents of water,acetonitrile and ethylacetate as mobile phase"Analytical Sciences. 16. 139-144 (2000)
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[Publications] Haiping Sun: "Separation and transport of lithium of 10^<-5> M in the presence of sodium chloride higher than 0.1 M by 2,3,7,8,12,13,17,18-octabromo-5-10-15-20-tetrakis(sulfonatophenyl)porphyrin"Talanta. 49. 603-610 (1999)
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[Publications] Masaaki Tabata: "Metalloporphyrins mediated DNA cleavage by a low concentration of HaeIII restriction enzyme"Journal of Bioinorganic Chemistry. (In press). (2000)
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[Publications] 田端正明: "ポルフィリンの分析化学"ぶんせき. 1025-1044 (1999)
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[Publications] Masaaki Tabata: "Porphyrin Handbook,vol..9,Chap.60"Academic Press. 198 (2000)