1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11440233
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
園池 公毅 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (30226716)
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Keywords | 光合成 / 光化学系I / 光阻害 / 低温傷害 / 環境ストレス / 鉄イオウセンター / タンパク質分解 / 修復 |
Research Abstract |
1分子遺伝学的アプローチ:本年度はまず、このアプローチに使うシロイヌナズナのスクリーニングの条件を検討した。スクリーニングには、2次元で蛍光強度の時間変化が測定できる装置を用いた。まず、シロイヌナズナの個体を用い、励起光照射後の適当な2つの時点において蛍光強度を比較し、系Iの存在によって引き起こされる蛍光の減少が小さい個体を2次元画像上でピックアップすることが可能かどうかを検討した。ついで、可能であることがわかった条件で系Iの光阻害を受けたキュウリの葉を測定することにより、系Iの阻害を検出されていることを確認できた。これによって、系I変異株のスクリーニング条件が整ったと考えられる。 2生理生化学的アプローチ:本年度は阻害された系Iの反応中心複合体が葉の中で修復されているのか、分解されるのか、それともそのままとどまるのかを検討した。その結果、弱い阻害がかかったときには、鉄硫黄センターのみが阻害され、その鉄と硫黄の再構成によって数日のオーダーで回復すること、強い阻害がかかったときには、サブユニットの分解までが引き起こされ、数日のオーダーではほとんど回復が見られないことが明らかと成った。このことは、阻害の程度によって、機能を失った複合体が、あるときは修復され、修復が不可能な場合は積極的に分解されることを意味している。
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