1999 Fiscal Year Annual Research Report
孔辺細胞におけるアブシジン酸シグナル伝達の分子機構
Project/Area Number |
11440235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥山 尚志 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (40013338)
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Keywords | 孔辺細胞 / アブシジン酸 / プロテインキナーゼ / ABRキナーゼ / カリウムチャネル / KAT1 |
Research Abstract |
これまでにアブシジン酸によって活性化されるプロテインキナーゼ、ABR kinaseが孔辺細胞に存在し、K^+チャネル、KAT1のC末端をリン酸化することを明らかにしてきた。本年度、ABR kinaseのクローニングを目的として、KAT1のC末端との相互作用することを指標として酵母を用いたTwo-hybrid系によるcDNAのスクリーニングを試みた。まず、単離したソラマメの孔辺細胞プロトプラストより、mRNAを精製し、cDNAを合成した。これをプレイ(獲物)ベクターに挿入し、ライブラリーを作成した。次にスクリーニングの効率化を考慮し、KAT1におけるリン酸化部位の特定に取り組んだ。KAT1の部分リコンビナントペプチドを作出し、インゲルプロテインキナーゼアッセイを行った。C末端を徐々に小さく分割し、それぞれをリン酸化させたところ、複数の領域がリン酸化されることが明かとなった。このため、この手法によるリン酸化部位の特定を断念した。そこで、KAT1のC末端全体をベイト(餌)としてスクリーニングを開始した。スクリーニングの結果、31クローンの候補が得られた。得られた遺伝子の塩基配列は決定途中である。 一方、我々がクローニングしようとしているプロテインキナーぜと同一である可能性が非常に高いプロテインキナーゼのcDNAが、ごく最近になつて、ソラマメ孔辺細胞からAssmannのグループによってクローニングされた(2000,Science287:300-303)。今後はこのキナーゼとKAT1や他の信号伝達系の因子との相互作用も視野に入れて研究する予定である。
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