1999 Fiscal Year Annual Research Report
植物の液胞膜プロトンポンプの再構成膜系を用いての低温ストレス機構の解明
Project/Area Number |
11440237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笠毛 邦弘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (20294449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
且原 真木 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (00211847)
柴坂 三根夫 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60226165)
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Keywords | 液胞膜 / プロトンポンプ / 再構成膜 / 膜流動性 / プロトン輸送 / 低温ストレス |
Research Abstract |
今年は純化精製した液胞膜H^+-ATPaseをアゾレクチン(リン脂質)リポゾームヘ導入した再構成膜(プロテオリポゾーム)系を構築した。 イネ(Oryza sativa L.)とモヤシマメ(Phaseolus mungo L.)からデキストランT-70の0%-1%の界面を集めることにより効率よく液胞膜を単離した。液胞膜からのATPaseの可溶化は0.1%デオキシコール酸処理で表在性タンパク質を除いた後と30mMのオクチルグルコシドで可溶化する2段階処理法で可溶化を行った。このようにして得られたATPaseをデオキシコール酸除去法を用いて精製したアゾレクチンリポゾームに挿入し再構成膜小胞を構築した。構築したリポゾームは平均で200nmの径を持つ単相の小胞で、1つの小胞に約26-35個のATPase分子が挿入されていると算出された。この再構成膜小胞を用いてのプロトン輸送は蛍光色素のキナクリンの蛍光消光を測定することで定量化し、プロトン勾配の生成はプロトノフォアーでこの勾配が崩壊することで確認した。膜の流動性は自動蛍光偏光解消装置を用いて偏光度を算出することで定量化した。以上のような方法で再構成膜小胞を用いてのプロトン輸送ならびに膜の流動性の測定が可能となった。予備的な実験から、リポゾームを構成する脂質組成の違いにより挿入したATPaseに依存したプロトン輸送量が変化すること、アゾレクチンリポゾーム膜の流動性は膜の内側の疎水性領域が外側の親水性領域より高いことなどが明らかになったが詳細は次年度に報告する予定である。
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