2000 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザのFM特性を用いたクローズドループ縞走査干渉計
Project/Area Number |
11450024
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
芳野 俊彦 群馬大学, 工学部, 教授 (90013169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 正幸 群馬大学, 工学部, 助手 (80323335)
高橋 佳孝 群馬大学, 工学部, 助教授 (30216767)
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Keywords | 光計測 / 帰還干渉計 / ヘテロダイン干渉法 / 半導体レーザFM特性 / 干渉縞解析 / 位相シフト法 |
Research Abstract |
本年度は前年度で得られた研究結果をもとに以下のことについて研究を行った。 ・ヘテロダイン位相検波高速化 本帰還干渉計において最も重要である位相検波を高速化するために、新たに高速位相検波ボードを導入した。また、新位相検波計に最適である利得を持つ作動増幅器の導入や、高周波ノイズの半導体レーザに対する影響を取り除くためのローパスフィルタも新たに導入した。これにより従来の位相検波計における検波速度が300Hz程度の応答速度に留まったのに対して、今回導入した位相検波計により、位相検波の応答速度が約1kHz程度まで向上した。この結果、高い利得での帰還が可能となり、空気揺らぎ、温度変化、振動などの外乱に対しても干渉計位相安定性をさらに向上させることができた。特に、振動に対する帰還の応答性も安定性も向上することが実験的に確かめられた。理論的にも安定性を検討し、実験結果とよく一致することが確かめられた。 ・振動などの外乱下における位相シフト実現と表面形状計測の検討 本干渉計の実用性の検討といった観点から、干渉計の一方のミラーにスピーカーを取り付けて振動させることにより、干渉計に外乱を加えた状態での位相シフト実験と干渉縞取り込みによる表面形状計測を行った。前年度に比べて位相検波計の高速化が達成されているため、振動を加えた状態においても安定して位相シフトを行えることが確認できた。また、90°ピッチの4段階位相シフトを行い、干渉計のミラーに用いたビームスプリッタ表面の形状測定を外乱下でも安定して行うことができた。測定の再現性をスピーカーによる振動無し、有りの場合で比較した所、それぞれ測定データ標準偏差の値でλ/150、λ/60程度であることが分かった。これにより本研究で提案した干渉計が温度変化や半導体レーザの周波数変化、またはより実用に近い、振動のある状態においても十分な再現性を持って測定が行えることを実験的に確認できた。
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