1999 Fiscal Year Annual Research Report
フォトリフラクティブ結晶の連続光共鳴2光子遷移に関する研究
Project/Area Number |
11450026
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
富田 康生 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (50242342)
|
Keywords | フォトリフラクティブ効果 / ホログラフィック光メモリ / 2光子遷移 / ニオブ酸リチウム / 2光子記録 / 小さなポーラロン |
Research Abstract |
本研究ではフォトリフラクティブ(PR)結晶で生じる連続光による2光子遷移過程を介して形成されるPR格子の動特性について究明するとともに、該過程を用いた不揮発性ホログラム記録/再生の最適条件や記録情報多重化の増大法について明らかにすることを目的としている。以下に本年度の研究成果を列記する。 1.エルビウムを添加したニオブ酸リチュウム強誘電体結晶の連続光2光子遷移過程について実験的に究明し、以下のことを明らかにした。 (1)エルビウム添加により連続光2光子遷移過程により形成されたPRホログラムの回折効率が過去に報告されているノンドープニオブ酸リチュウム結晶の回折効率に比べて5倍程度増大できる。 (2)結晶の還元処理により記録感度を二桁程度向上できる。 (3)連続再生時のホログラム減衰時間をノンドープニオブ酸リチュオム結晶に比べて2倍以上延ばすことができる。 2.連続光2光子遷移過程によりPRホログラムを用いた反射型波長多重記録のクロストークの低減について理論的に究明し、以下のことを明らかにした。 (1)結晶の線形光吸収と記録時の2光波結合現象がPRホログラムへのアポダイゼーション効果を誘起し、その結果、ホログラムの波長選択幅を従来のKogelnik理論から予想される値に比べて半分程度まで狭窄化できる。 (2)波長選択幅の狭窄化と回折効率極大化に対して記録光強度比の最適地が存在する。
|