2000 Fiscal Year Annual Research Report
結晶学的せん断帯の生成・成長による構造物の衝撃崩壊特性の最適化
Project/Area Number |
11450041
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 耿一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (30005425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 昭吉 一関工業高等専門学校, 教授 (20042202)
柴田 勝久 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (20196421)
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Keywords | 結晶塑性 / 局所せん断帯 / 塑性不安定 / 有限要素法 / 複合負荷試験 / 衝撃座屈 |
Research Abstract |
結晶学的せん断帯の生成成長のクライテリオンを確立し,その生成成長過程をシミュレーションできる数値解析法を開発することにより薄肉構造体の衝撃崩壊特性を制御する方法を確立することを目的として本年は以下の研究を行った. 1.複合負荷試験システムの確立.前年度基本システムの設計試作を終えた円管による複合負荷試験システムを圧縮力が優勢な負荷経路においても十分に制御可能なシステムに改良するためにサーボシリンダーによる高圧発生装置の設計と試作を終えた. 2.単結晶および多結晶のせん断帯生成・成長の数値シミュレーションシステムの確立.前年度に確立したFCC結晶のせん断帯発生クライテリオンに基づき,せん断帯を仮想的な13番目のすべり系として導入する多結晶有限要素プログラムを開発し,これによる平面ひずみ圧縮および平面ひずみ引張りの数値シミュレーションによりせん断帯の成長による材料の損傷過程をシミュレーションできることを確認した.平面ひずみ圧縮についてはアルミ合金による実験観察結果とも良い一致を示し,開発したモデルの妥当性を検証した.またこのシステムを多結晶体に適用した結果,せん断帯の成長により集合組織が変化することが確認された. 3.高ひずみ速度域での材料のひずみ速度依存性が薄肉構造物の衝撃崩壊特性に及ぼす影響の調査.はりおよび円管についての衝撃座屈変形の数値シミュレーターを開発しそれにCowper-Simonds型の構成式を適用して解析した結果,ひずみ速度依存性の大きい材料では衝撃エネルギー吸収効率がわずかながら向上すること,およびその粘性効果により座屈波形を長波長側に変更するためにより安定的に座屈変形が進行し得ることが確認された.
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[Publications] J.Nitta,S.Kanno,K.Ito and T.Sagawa: "Numerical Analysis of The Oneset of Shear band and The Post Shear banding Deformation of fcc Crystals"Proceeding of the VI Int.Conf.on Competitional Platte city. IV. (2000)