1999 Fiscal Year Annual Research Report
水素状態分析とナノ損傷評価による先進金属系材料の限界環境強度特性の解明
Project/Area Number |
11450043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
駒井 謙治郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70025948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和人 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50303855)
箕島 弘二 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50174107)
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Keywords | 環境強度 / 水素ぜい化 / 昇温水素分析 / 水素状態分析 / 疲労 / き裂進展 / 金属間化合物 / 高強度ステンレス鋼 |
Research Abstract |
今年度は,真空中で試料を赤外線炉で加熱して放出するガスを四重極マスフィルタ型ガス分析装置により分析を行うことにより,材料中の水素の状態分析を実施できる昇温水素分析装置を導入し,その測定条件・測定精度について検討を加え,昇温水素分析の基礎的データを得た。これより水素放出曲線を得るときにはバックグランドデータの補正を行うことが極めて重要であること,水素放出速度の測定精度として<1×10^<-7>ppm/sの性能を有していることを確認した。さらに,本分析装置をTiAl金属間化合物,Fe-Cr-Co系航空機用高強度ステンレス鋼,およびTi-6Al-4V合金に適用して,水素放出曲線が良い精度で測定できることを確認し,TiAl金属間化合物では,150℃と400℃付近に水素放出のピークが見られるとともに,腐食環境中においてカソードチャージ時間が長いほど水素放出速度が大きくなること,また,カソードチャージ条件下で疲労き裂進展試験を行った試料では,250℃と400℃付近に水素放出のピークが見られることを示した。さらに,高強度ステンレス鋼では,150-200℃,および300-400℃付近に水素放出ピークがあることが明らかとなった。併せて,TiAl金属間化合物,高強度ステンレス鋼およびTi-6Al-4V合金の疲労き裂進展試験を乾燥空気中,実験室空中,および腐食環境中で実施し,水素によるぜい化特性を水素放出挙動より考察を加えつつある。
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Research Products
(1 results)