2001 Fiscal Year Annual Research Report
モードIIおよびモードIII型疲労進展破面の定量的解析とトライボロジー問題への応用
Project/Area Number |
11450047
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
村上 敬宜 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10038010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 良博 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40156774)
栄 中 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (00253477)
|
Keywords | モードII型き裂進展 / 高強度網 / 応力拡大係数 / モードII型き裂展下限界値 / トライボロジー / フラクトグラフィー / 摩擦 / √areaパラメータモデル |
Research Abstract |
研究代表者が独自に考案した、高強度の材料においても実験室的にモードII型疲労き裂進展を実現できる実験的手法を応用して、種々の材料のモードII疲労き裂進展挙動とモードII疲労き裂進展下限界値ΔK_<IIth>の評価を行った。また、モードII疲労き裂進展破面の特徴とΔK_<IIth>到達後のモードIへの分岐の挙動の観察と解析を行った。以下に得られた結果を示す。 1.独自に開発した試験方法により、HV=68〜803の広範囲の硬さの材料すべてにおいてモードII疲労き裂進展を実現でき、ΔK_<IIth>の値を得た。 2.ΔK_<IIth>の値はΔK_<Ith>の値より大きい、このことは、多軸疲労の疲労き裂進展を考えるうえで極めて重要であることを示した。 3.レール鋼においてき裂先端近傍に白色異常層が見られた。この白色層は基地組織に比べて硬さがおよそ2倍に上昇していた。白色層の成分においては基地組織に比べて酸素濃度が高くなっていた。また、白色層の存在するき裂き裂先端周辺には多数の空孔が存在していた。 4.鉄道車両用ホイール鋼では応力比Rを変えた実験を行なった。R=0.33の場合のΔK_<IIth>の値はR=-1の場合に比べ若干小さくなったもののそれほど顕著な差は見られなかった。 5.モードIIで進展するき裂面に働く摩擦の影響を調べた。SKH-1材でき裂面に潤滑油を注入した場合にはき裂進展速度は大きくなりΔK_<IIth>の値は見かけ上小さくなった。SKD-1材でき裂面に水を注入した場合にはΔK_<IIth>の値はほとんど変わらなかった。
|
-
[Publications] 大小森 義洋: "補強ロールのスポーリングにおけるモードII型き裂の進展挙動の解析"材料. 50・3. 249-254 (2001)
-
[Publications] Chu SAKAE: "Stress Intensity Factors for Small Subsurface Circular Cracks under Moving Contact Load and Evaluation of Allowable Defect Size"Proceedings of the International Symposium "Development in Fracture Mechanics for the New Century". 55-60 (2001)
-
[Publications] Koji TAKAHASHI: "Threshold and Growth Mechanism of Fatigue Cracks under Mode II and III Loadings"Proceedings of the Sixth International Conference on Biaxial/Multiaxial F atigue & Fracture. 581-588 (2001)