結晶再構成運動理論に基づく塑性変形誘起結晶構造解析手法の開発

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11450050
• Research Institution: Osaka Institute of Technology
• Principal Investigator: 仲町 英治 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60099893)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渋谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70206150) ; 眞崎 才次 大阪工業大学, 工学部, 教授 (30079537)
• Keywords: SEMサーボ試験機 / 結晶方位解析装置 / 純アルミニウム単結晶 / 弾 / 結晶粘塑性 / 有限要素法 / 結晶再構成運動理論 / FCC単結晶板材 / 結晶方位回転すべり帯

Research Abstract

SEM内に設置された引張り試験機にアルミニウムおよび鉄の単結晶微小試験片,さらにアルミニウム合金および高張力鋼の多結晶微小試験片を取り付けるための治具を製作し,結晶塑性変形に伴うすべり帯形成と局所くびれ成長のSEM観察,および結晶方位分布EBSD観察を行った.主に,初期に引張り軸方向と異なる結晶方位を持つ単結晶試験片の引張り塑性変形に伴う結晶形態の変化をサブミクロン単位で計測し,結晶内すべり変形および結晶方位回転に関する情報を得た.この結晶塑性変形に関する実験解析結果を用いて,研究代表者が提案した結晶再構成運動理論に基づく弾/結晶粘塑性有限要素法による塑性変形誘起結晶構造解析結果と比較し,本理論・解析法の正当性を検証した.研究は以下の順で遂行された.(1)既存の島津社製SEMサーボ試験機のSEM内にOXFORD社製結晶方位解析装置(EBSD)一式および微細試験片取り付け治具を組み込み,各種試験片に引張り塑性変形を加えた.そこで,塑性変形誘起されたすべり帯形成過程,局所くびれ帯発生,および結晶方位回転の"その場"観察を行い,初期結晶方位による塑性変形誘起の結晶形態変化への影響を定量的に解析することができた.(2)新たに提案した結晶再構成運動理論の検証とその新理論に基づく弾/結晶粘塑性有限要素法による塑性変形解析結果と実験結果との比較を行なった.多結晶試験片の場合はEBSD解析によって塑性変形誘起の集合組織発展の解析を行い,再結晶構成運動の数理モデル確立のために有用な結果を得た.以上の研究により,結晶形態を基礎とするメゾ塑性理論とそれを用いた変形メカニズムの解明に本理論・解析手法が有効であることを検証することができた.

Research Products

• [Publications] 仲町英治,播本将英,平岩幸二郎 他: "新硬化・軟化発展方程式に基づくFCC単結晶塑性変形問題の弾/晶粘塑性有限要素解析"日本機械学会論文集. 66巻643号. 448-453 (2000)
• [Publications] Nakamachi,E. 他: "Elastic/crystalline Viscoplastic Finite Ele Analyses of Single-and Poly-Crystal Sheet Deformations and Their Experimental Verification"Int.J.Plastic. vol.16. 1419-1441 (2000)
• [Publications] Nakamachi,E.,Xie,C.L. 他: "Drawability Assessment of BCC Steel Sheet by Using Elastic/Crystalline Viscoplastic Finite Element Analyses"Int.J.Mech.Sci.. 43巻. 631-652 (2001)
• [Publications] Nakamachi.E.,Xie.C.L: "Development of Crystal Plasticity Finite Element Analysis Code Based on Crystal Motility Restructuring Theory"Proc.of PLASTICITY'00. 603-605 (2000)
• [Publications] Nakamachi.E,Xie.C.L.: "Overall Optimum Design of Material Process and Sheet Metal Fabricationby Using FE and Discretized Optimization Method"Proc.ECCOMAS 2000. 110 (2000)
• [Publications] Nakamura,Y,Nakamachi.E 他: "Development of Optimum Design System for Sheet Fabrication"Proc.ECCOMAS 2000. 111 (2000)
• [Publications] 仲町英治,播本将英: "硬化-軟化発展方程式に基づく弾/結晶粘塑性有限要素解析による板材成形能評価"日本機械学会講演論文集('00.3関西支部第75期定時総会講演会). NO.004-1. 11 (2000)
• [Publications] 山岡秀年,仲町英治: "動的陽解法有限要素法による頭部損傷評価手法の開発"日本機械学会講演論文集(関西支部第75期定時総会講演会). NO.004-1. 12 (2000)
• [Publications] 仲町英治,解春雷 他: "熱処理アルミニウム合金板の加工限界の予測"第51回塑性加工連合講演会論文集. 261-262 (2000)
• [Publications] 赤松雅己,仲町英治 他: "集合組織と拘束条件が加工変形に及ぼす影響の結晶塑性有限要素解析"塑性加工春季講演会講演論文集. 205-206 (2000)
• [Publications] 仲町英治,森本秀夫 他: "SEM・EBSD・FEM手法によるBCC結晶塑性変形解析"第13回計算力学講演会講演論文集. NO.00-17. 561-562 (2000)
• [Publications] 仲町英治,森本秀夫 他: "SEM・EBSD・FEM手法によるFCC結晶塑性変形解析"第13回計算力学講演会講演論文集. NO.00-17. 563-564 (2000)
• [Publications] 仲町英治,森本秀夫 他: "塑性変形誘起の結晶方位回転の有限要素解析および実験検証"H12塑性加工春季講演会講演論文集. 201-202 (2000)
• [Publications] 仲町英治: "ミクロから結晶塑性を考える(結晶集合組織と材料強度・成形能との関係を探る)"日本機械学会第13回計算力学講演会講演論文集. NO.00-17. 733-734 (2000)
• [Publications] 仲町英治: "人体頭部の衝突変形挙動解析(-牛脳材料特性同定実験-)"日本機械学会第13回計算力学講演会講演論文集. NO.00-17. 513-514 (2000)
• [Publications] 仲町英治,解春雷 他: "弾/結晶粘塑性有限要素解析によるAl-Mg合金板材の集合組織・成形性評価"日本機械学会講演論文集(第76期定時関西支部総会講演会). (2001)
• [Publications] 仲町英治,赤松雅己 他: "SEM・EBSD・FEMによるしごき集合組織を考慮したBCC多結晶材料の成形加工解析"日本機械学会講演論文集(第76期定時関西支部総会講演会). (2001)
• [Publications] 仲町英治,森本秀夫 他: "SEM・EBSD・FEMによる純アルミニウム単結晶板材の塑性変形挙動解析"日本機械学会講演論文集(第76期定時関西支部総会講演会). (2001)