2000 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアイスジェットの生成と3次元半導体素子用層間絶縁膜の選択的加工法への適用
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11450051
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
厨川 常元 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90170092)
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Keywords | アブレイシブジェット加工 / 噴射加工 / 層間絶縁膜 / アイスジェット / ばり取り / 選択的加工 / ビア / 洗浄 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き,超純水粒子の生成量と凍結時間,完全凍結するに必要な冷却管の長さ,空気温度,空気圧力,空気量の関係について検討するとともに,マイクロアイスジェット噴射による加工実験を行う.最初に純水の噴霧ノズルから噴霧される水粒子の粒子径を測定するとともに,PIVにより噴霧速度,パターンを測定した.その結果,平均粒径70μmで噴霧速度はノズル近傍で約50m/s程度で,噴霧後すぐ減速することがわかった.またその水粒子が凍結する時間を理論的に計算し,噴霧速度の実測値から得られる凍結距離を計算した.そのデータを基に,アイスチャンバの大きさを設計する手法を得るとともに,昨年製作したチャンバーがこの条件を満たしていることを確認した.さらに,この設計法により,より小径のマイクロアイスを製作することのできる装置を設計した. 次に,硬度の異なる種々の材料,銅,アルミニウム,鉄,単結晶シリコン,塩化ビニールの板材に30degの角度でマイクロアイスを噴射した.マイクロアイスのモース硬度は3〜4であり,それよりも軟らかい塩化ビニールのみに深さ10μmの加工痕が形成された.また表面粗さはマイクロアイスの衝突による圧痕によって0.16μmRtから2.87μmRtに増大した.一方,マイクロアイスとほぼ同程度の硬度を有する銅は明確な加工痕が観察されず,表面粗さのみ0.36μmRtから1.57μmRtに増大した.これに対し,マイクロアイスより硬い鉄,シリコンでは全く変化が見られず,選択的加工が実現されていることが確認された.またパターニング加工については最初に予定していた紫外線硬化樹脂を用いずに,本年度はメタルマスクを製作た.その結果,樹脂製層間絶縁膜のパターン加工が可能であることを確認した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 厨川常元 他: "AJM装置設計と噴射条件の最適化(間欠噴射方式による小型AJM装置の試作)"2000年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集.. E37 (2000)
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[Publications] 厨川常元: "デジタル式小型AJM装置の開発とその応用"機械と工具 . 44,9. 116-117 (2000)
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[Publications] 厨川常元 他: "マイクロアイスジェット加工に関する研究"日本機械学会2000年度部門講演会講演論文集. (2000)
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[Publications] 厨川常元 他: "マイクロアイスジェットの生成と層間絶縁膜の選択的加工に関する研究"2001年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集. A62 (2001)
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[Publications] Tsunemoto Kuriyagawa, etal: "A New Device of Abrasive Jet Machining and Application to Abrasive Jet Printer"Key Engineering Materials . 196. 103-110 (2001)