1999 Fiscal Year Annual Research Report
製品ライフサイクルシナリオに基づく循環型生産システムの構築法に関する研究
Project/Area Number |
11450053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 文彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60133104)
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Keywords | 循環型生産 / インバース・マニュファクチャリング / 製品ライフサイクル / メンテナンス / 部品再利用 |
Research Abstract |
製品の全ライフサイクルを再構築して、新しい生産や製品の体系を追求しようとするインバース・マニュファクチャリングの概念の具体化を目指し、「製品の要求機能に対応して、可能なあらゆるライフサイクルのシナリオを評価し選択することにより、新しい製品とその生産の概念を構成する」、という考え方を基礎として、利用者の機能要求を満たしながら製品の環境負荷を低減する手法を確立しようとする。以下の項目について具体的に研究を進めた。 (1)循環型生産のためのライフサイクルシナリオの提案 標準的なライフサイクルシナリオとして、〔1〕短期間で単純回収・再利用(リサイクル)、〔2〕比較的短期間で(部分)回収・部品再利用、〔3〕長期使用・アップグレードメンテナンス、〔4〕永久使用・徹底したメンテナンス、の4種類を考え、これらに附随する技術課題を整理すると共に、標準シナリオからの派生シナリオの構成法を考えた。利用者要求機能とライフサイクルシナリオの組み合わせから、適切な循環型製品概念を抽出する手法を確立した。 (2)ライフサイクルシミュレーションによるライフサイクルシナリオの評価 特定の製品の基本構成とその構成要素の機能的・物理的寿命、再利用性、などを規定して、想定されるライフサイクルシナリオについて、製品の使用数などを仮定して統計的なライフサイクルシミュレーションを行い、一定期間における製品の平均的な利用者機能充足度や総廃棄量などを評価した。これにより、適切なシナリオと対応する製品の基本構成が決定される。シミュレーションの基礎として、製品の機能構成や基本挙動、機能劣化、などを表現できる巨視的なプロダクトモデル、および、生産システムや利用環境、メンテナンス、回収や再利用処理、などに関するモデルを検討した。
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[Publications] M.Matsuda & F.Kimura: "A Model Integration Framework for Life Cycle Engineering"Proc.Life Cycle Engineering (6th CIRP Seminar). 332-341 (1999)
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[Publications] 加藤悟 木村文彦: "製品ライフサイクル評価のためのライフサイクルコスティング"エコデザイン・'99 ジャパン シンポジウム. 80-83 (1999)