2001 Fiscal Year Annual Research Report
製品ライフサイクルシナリオに基づく循環型生産システムの構築法に関する研究
Project/Area Number |
11450053
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 文彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60133104)
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Keywords | インバースマニュファクチャリング / 製品ライフサイクル設計 / ライフサイクルアセスメント / リサイクリング / 再利用 / 信頼性設計 / メンテナンス / ライフサイクル管理 |
Research Abstract |
工業生産が地球環境に及ぼす影響を軽減させるために、既存の製品についてリサイクル率を向上させるだけではなく、製品の全ライフサイクルを再構築して、新しい生産や製品の体系を追求しようとするインバース・マニュファクチャリングの概念が提唱されている。本研究は、インバース・マニュファクチャリングの概念の具体化を目指し、「製品の要求機能に対応して、可能なあらゆるライフサイクルのシナリオを評価し選択することにより、新しい製品とその生産の概念を構成する」、という考え方を基礎として、利用者の機能要求を満たしながら製品の環境負荷を低減する手法を確立しようとする。日常的に用いられる耐久消費財型の製品を主な対象とし、循環型生産システムの構築法の確立を目指して、以下の項目について具体的に研究を進めた。 (1)循環型製品を支えるライフサイクルシナリオの設計と評価 前年度までの成果を総合して、循環型製品とそのライフサイクルシナリオの設計法をまとめた。循環型製品の現実的な妥当性を実証することを目標として、家庭用ファックス、携帯電話などの機械要素を含む情報機器について、極端に異なるシナリオ(例えば、メンテナンスフリーと使い捨て)を設定し、各々適切な利用形態要求において妥当であることを示し、製品機能とライフサイクルシナリオの関連性を検討した。特に、生産システムにおける再利用部品の補修や品質管理、製品のメンテナンス性やその支援システム、などを重視し、ライフサイクルシステムの具体的提案を行った。 (3)循環型生産システム構築法の研究 全研究成果を統合しつつ、ライフサイクルシナリオに基づく合理的な循環型製品とその生産システム(ライフサイクルシステム)の構築法を体系化した。情報機器を超えるより広範な製品について、本研究の考え方の効用と限界を評価した。
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[Publications] Kimura, F.: "Comprehensive Product Modelling for Designing Life Cycle Scenarios"Proc. EcoDesign2001, Tokyo. 1-6 (2001)
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[Publications] Hata, T., Kato, S., Kimura, F.: "Design of Product Modularity for Life Cycle Management"Proc. EcoDesign2001, Tokyo. 93-96 (2001)
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[Publications] Kimura, F., Kato, S., Hata, T., Masuda, T.: "Product Modularization for Parts Reuse in Inverse Manufacturing"Annals of CIRP. Vol.50, No.1. 89-92 (2001)
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[Publications] Kimura, F.: "Designing Innovative Services and Product Systems based on the Concept of Total Product Life Cycle Management"Proc. Int. CIRP Design, KTH. 13-17 (2001)
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[Publications] 木村文彦: "人工物のライフサイクル管理とメンテナンス"鉄道と電気技術. Vol.12, No.10. 3-9 (2001)
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[Publications] 木村文彦: "バーチャルマニュファクチャリングの効用と課題"IEレビュー. vol.42, no.5. 6-11 (2001)