2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450079
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
澤田 達男 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00162545)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木倉 宏成 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (00302985)
|
Keywords | 磁性流体 / 超音波 / UVP法 / クラスタ / スロッシング / 磁場 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き,磁性流体中を伝播する超音波特性を詳細に調べた。昨年度の研究結果から,超音波の伝播速度および吸収率に関して異方性が存在すること,その異方性は印加磁場強度に異存すること,超音波伝播特性には印加磁場に対してヒステリシスが存在すること,等が明らかとなった。しかし,その原因の究明を行う事ができなかった。そこで,装置の改良を行い,1MHz,2MHz,4MHzの異なる周波数を用いた実験を行い,周波数によって超音波伝播の異方性が異なる事が明らかとなった。 これらの周波数依存性は内部の磁性体微粒子のクラスタ構造に関係があると考えられるので,クラスタ形成を可視化するシステムを新たに構築し,クラスタ成長過程と印加磁場の関係を調べた。その結果,クラスタ撮影画像の明度の標準偏差によって,クラスタの大きさがある程度評価出来ることが明らかとなった。また,磁場を印加後もクラスタは6時間を経ても成長し続けている事が確認できた。これは,従来あまり知られていない事であり,今後様々な磁性流体現象を解明する上で貴重な知見である。 昨年度に引き続いて,円筒容器内の磁性流体スワーリング実験も行った。昨年度の実験結果を踏まえ,磁気体積力,重力,流体慣性力を考慮した解析を行い,現象を特徴づけるパラメータを見出す事ができた。今後,UVPによる内部流速測定結果を踏まえた解析を行うことにより,詳細な流動メカニズム解明が期待できる。
|
-
[Publications] Tatsuo Sawada: "Sloshing motion of a magnetic fluid in a cylindrical container due to Horizontal oscillation"Energy Conversion and Management. Vol.43 No.3. 299-308 (2002)
-
[Publications] Tatsuo Sawada: "Sloshing behavior of a magnetic fluid in a cylindrical container"Experiments in Fluids. Vol.32 No.2. 197-203 (2002)
-
[Publications] Tatsuo Sawada: "Ultrasonic propagation in a magnetic fluid under a uniform magnetic field"Proceedings of the first international symposium on advanced fluid information. 506-507 (2001)
-
[Publications] 山中玄太郎: "UVPを用いた磁性流体円管内振動流の速度分布計測"日本機械学会論文集(B編). Vol.67 No.663. 2717-2724 (2001)
-
[Publications] 西山裕之: "磁性流体中を伝播する超音波の音速と吸収特性"日本機械学会流体工学部門講演会講演概要集. No.01-3. 63 (2001)
-
[Publications] 佐渡山浩平: "磁性流体の同調液体ダンパーへの適用に関する基礎研究"磁性流体連合講演会講演論文集. 7-9 (2001)