2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飛原 英治 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (00156613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大宮司 啓文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (10302754)
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Keywords | ヒートポンプ / 微小機構 / 熱交換器 / 極細管 |
Research Abstract |
今年度も引き続き,マイクロ熱交換器に関して,伝熱管を細管化することによって伝熱性能を上昇させ,容積を飛躍的に小さくするための伝熱性能の研究を行った。マイクロ熱交換器の特性を生かすために,二酸化炭素を作動媒体とする実験とHFC134aを作動媒体とする実験の両方を行った。 1.内径0.7,1,2mmの伝熱管内を二酸化炭素が流れるときの細管内沸騰熱伝達の実験の結果,以下の知見を得た。沸騰熱伝達には核沸騰熱伝達の寄与が支配的であり,強制対流蒸発の寄与は小さい。流体の質量速度を増大させるにしたがって,流れが管状噴霧流に遷移し,ドライアウトするときのクォリティが小さい値に移ってゆく。熱流束が熱伝達率に与える影響は,1mm管より0.7mm管のほうが大きい。潤滑油を添加すると,熱伝達率は低下する。わずかな潤滑油の量でも熱伝達率が低下するのは,フロン類では見られなかった現象であり,二酸化炭素特有の現象と思われる。圧力損失は,既存の実験整理式より小さく,質量速度が大きくなるにしたがってその乖離は大きくなる。 2.HFC134aに関しては,昨年の0.5〜1mm管に引き続き,2mm管を用いて伝熱管内沸騰熱伝達率の測定実験を行った。熱流束範囲は10〜20kW/m^2,質量流束は150〜300kg/m^2sである。これで,広範囲な伝熱特性データを取得することができた。新たな知見として,蒸発管の入り口のクォリティが0.1以下あるいは過冷却状態の時には,作動媒体の流れが不安定(スラグ流化)になり,熱伝達率も大幅に低下することが分かった。マイクロ熱交換器を使うときに,作動媒体の入り口状態を制御しなければメリットが出ないことも分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 斎藤静雄: "冷媒の水平細管内沸騰熱伝達に関する研究"第37回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 3. 687-688 (2000)
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[Publications] 田中信吾: "二酸化炭素の水平管内沸騰熱伝達に関する研究"第37回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 3. 689-690 (2000)
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[Publications] 藤田勇: "T字管における気液二相流の分配に関する研究"日本冷凍空調学会論文集. 17・1. 37-45 (2000)