1999 Fiscal Year Annual Research Report
高速レーザ加熱による低温領域における熱緩和時間と熱拡散率の同時測定
Project/Area Number |
11450085
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
荒木 信幸 静岡大学, 工学部, 教授 (90005314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 優 浜松ホトニクス株式会社, 中央研究所, 室長
唐 大偉 静岡大学, 工学部, 助手 (40262795)
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Keywords | 熱伝導 / 非フーリエ問題 / 熱拡散率 / 熱緩和時間 / レーザ高速加熱 / 高速温度応答測定 / 反射法 |
Research Abstract |
本研究は、極低温において、薄膜を高速加熱したときの温度応答を高速測定することにより非フーリエ熱伝導現象を観察し、熱拡散率および熱緩和時間を同時に測定することを目的としている。 本年度はまず、物質の表面反射率の温度による変化を利用した高速温度応答測定システム(サーモレフレタンスシステム)を構築し、ナノ秒オーダーの温度応答の測定を試みた。測定装置の概略が完成し、測定が可能となったが、レーザで加熱した際に試料の膨張により振動が発生する現象が発生し、測定速度をマイクロ秒のオーダー以下にはできなかった。このシステムを用いて、室温から10Kの極低温度の範囲で、厚さ90μmのステンレス鋼の熱拡散率を測定することができた。この測定値は、文献値から予測した値とほぼ一致することが確かめられた。本研究成果を平成12年度の日本伝熱シンポジュームおよびアメリカで開催される熱物生シンポジュームで発表する予定である。 次年度においては、試料の振動の原因を確かめ、その防止対策を講じ、当初の目的であるナノ秒の温度応答測定を可能にしたい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 唐大偉,荒木信幸: "普遍的熱伝導方程式を用いた逆解析による熱緩和時間および熱拡散率の同時測定"第36回日本伝熱シンポジウム講演論文集. vol.I. 233-234 (1999)
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[Publications] DaWei Tang,Nobuyuki Araki: "Some Approaches for Getting better Data of Thermal Diffusivity of thin Materials Measured by Laser Flash Method"15th European Conference on Thermophysical Properties. 369 (1999)
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[Publications] 荒木信幸,唐大偉: "レーザフラッシュ法による薄膜の熱拡散率測定(第3報測定系の時定数およびレーザ吸収層の影響)"第20回日本熱物性シンポジウム講演会論文集. 619-622 (1999)
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[Publications] N.Araki,D.W.Tang,H.Kawashima: "Measurement of Thermal Diffusivity at Low Temperature Using an Optical Reflectivity Technique"14th Symposium on Thermophysical Properties. (発表予定). (1999)