2000 Fiscal Year Annual Research Report
高速レーザ加熱による低温領域における熱緩和時間と熱拡散率の同時測定
Project/Area Number |
11450085
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
荒木 信幸 静岡大学, 工学部, 教授 (90005314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 優 浜松ホトニクス(株), 中央研究所, 室長
唐 大偉 静岡大学, 工学部, 助手 (40262795)
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Keywords | 熱伝導 / 非フーリエ問題 / 熱拡散率 / 熱緩和時間 / レーザ高速加速 / 高速温度応答測定 / 反射法 / 低温 |
Research Abstract |
本研究は、低温場において薄膜を高速加熱したときの高速温度応答を測定することにより非フーリエ熱伝導現象を観察し、熱緩和時間と熱拡散率を同時に測定しようとするものである。 本年度はまず、レーザエリプソメータを低温装置に適用し、種々物質の反射率の温度依存性を10-400Kの温度範囲で測定した。シリコン試料に対して150K以上で測定値が文献値とほぼ一致することが確かめられたが、クライオスタト中の真空度まだ低いため150K以下には信頼できる値が得られなかった。この対策として、真空度を高める方法を導入し、低温装置を改造した。一方、前年度温度応答測定の際に測定結果に影響した周期的なノイスがレーザで加熱した時における試料の熱弾性振動によるものであることを実験及び理論的に確かめた。この影響の対策として、石英ガラス基板の上に測定試料をスパッタリングにより付けて、温度変化による反射信号の測定を試みたが、温度応答の検出ができていない。 次年度においては、試料振動の問題を解決した上で、今年度購入した高速増幅器を利用し、ナノ秒のオーダの測定を行うことができるようにする。そして、測定した温度応答から熱拡散率と緩和時間を推定する。
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[Publications] D.W.Tang,N.Araki: "An inverse analysis to estimate relaxation parameters and thermal diffusivity with a universal heat conduction equation"International Journal of Thermophysics. Vol.21,No.2. 553-561 (2000)
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[Publications] N.Araki,D.W.Tang,M.Suzuki,A.Makino: "Effect of response delay of measuring system on thermal diffusinity measurement using the flash method"International Journal of Thermophysics. Vol.21,No.2. 495-502 (2000)
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[Publications] D.W.Tang,N.Araki: "Non-Fourier heat conduction behavior in finite mediums under pulsed surface heating"Materials Science and Engineering A. Vol.292,No.2. 173-178 (2000)
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[Publications] N.Araki,D.W.Tang: "High-speed measurement of temperature response and thermal diffusivity at low-temperature using a time-resolved optical reflectance technique"JSSUME2000 (Nagasaki,Aug.2000). 111-114 (2000)
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[Publications] 川嶋弘之,唐大偉,荒木信幸: "極低温における反射率の変化による温度応答の高速測定"第37回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 807-808 (2000)
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[Publications] 加藤準也,唐大偉,川嶋弘之,荒木信幸: "反射法による極低温における熱拡散率の高速測定"第21回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 214-216 (2000)