1999 Fiscal Year Annual Research Report
液柱内マランゴニ対流の振動遷移とカオス化過程(宇宙ステーション実験へ向けて)
Project/Area Number |
11450089
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
河村 洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80204783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 一郎 東京理科大学, 理工学部, 助手 (40318209)
鈴木 康一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10089378)
西野 耕一 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90192690)
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Keywords | マランゴニ対流 / 微小重力 / 振動流 / 液柱 / 3次元元可視化 |
Research Abstract |
2003年実施予定の宇宙ステーションにおける実験に向けて,Half-zone液柱内マランゴニ対流に関する実験及び数値計算を行った.シリコーンオイル液柱を上部(加熱)及び下部(冷却)ディスク間に形成して,液柱両端面間に温度差を実現する. 実験では,液柱径及びアスペクト比,流体動粘度をパラメータとして,振動流遷移及び遷移後のモード構造を対象とした.上部ディスクにサファイアを採用し上方からの観察を可能にし,また,低温恒温槽内で実験を行い,試験流体の蒸発の抑制,高温度差及び高アスペクト比液柱を実現した.得られた知見は以下の通りである.すなわち,振動流遷移を記述する無次元数マランゴニ数に対し,上記パラメータに依らずほぼ一定の臨界値となる新しい代表長さを実験的に見出した.また,遷移後に生じるモード構造に関し,アスペクト比に対してその発生領域を定めた.更に長波長型放射温度計を用いて液柱表面温度を測定し,振動流遷移時における表面温度の周方向への伝播を明らかにした.液柱内流れ場の3次元計測においては,直径数mmという非常に小さい領域かつ自由表面が曲率を持つことから大きな空間的制約があったが,上部ディスク上方にプリズムを設置して2台のCCDカメラにより観察するための光学系を確立した. 数値計算においては,3次元直円柱系での振動流遷移及び,温度場速度場ともにモード2及び3のPulsating振動流を再現した.自由表面上で高温部から低温部へ流れるマランゴニ対流により液柱中心部での低温流体の上昇流が駆動され,その低温流体が上記振動モードに対応する挙動をすることを明らかにした. 以上の結果に関し,Schwabe教授(Giessen大学,独)を招聘して意見の交換及び議論を行い,当該研究の将来の方向性などを話し合った.また,米国物理学会流体カ学部門年次大会,日本マイクログラビティ応用学会第15回学術講演会において成果を発表した.
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[Publications] 小野嘉久ら: "Transition and Modal Structure of Oscillatory Marangoni Convection in Liquid Bridge"J.Jpn.Soc.Micrigravuty Appl.. 16(Supp.). 96-97 (1999)
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[Publications] KAWAMURA,H.et al.: "Marangoni Convection with an Inclined Temperature Gradient to the Free Surface"Bulletin of the American Physical Society/Fluid Dynamics. 44・8. 142 (1999)