1999 Fiscal Year Annual Research Report
ER流体のマイクロ流動とそのマイクロシステムへの応用
Project/Area Number |
11450097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中野 政身 山形大学, 工学部, 教授 (40147947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VIEIRA Sheila 山形大学, 工学部, 助手 (70302304)
松下 浩一 山形大学, 工学部, 助教授 (70124625)
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Keywords | 分散系ER流体 / マイクロERバルブ / DC電圧制御 / PWM制御 / マイクロ流動特性 / クラスター / フォトレジスト法 / マイクロシステム |
Research Abstract |
ER流体は、外部からの電場印加によって粘性を数ミリ秒のオーダーで可逆的に変化できる機能性流体であり、その特徴によりER流体を作動流体とする流体回路では、全く可動部を持たない電極部だけからなるERバルブを用いて流量や圧力を制御することが可能となる。本研究では、ER流体を作動媒体とするマイクロシステムの構築を目的に、0.1mm程度の微小電極間隙をもつマイクロERバルブの電極間隙や流路幅等の形状パラメータがER効果やそのマイクロ流動特性に及ぼす影響について検討している。さらに、マイクロERバルブをフォトレジスト法と蒸着法を併用して制作する方法の可能性についても検討している。 二枚のガラス電極からなる0.1〜0.3mm程度の微小な電極間隔をもつ基本的なマイクロERバルブを試作し、微小間隙を流れる粒子分散系ER流体のマイクロ流動特性に関して圧力・流量特性や流れの可視化観察に基づいて検討を行い、約0.3mm以下の微小間隙ではER効果が電極間隙の減少に伴い低下し電極間隙に強い依存性を示すことを明らかにした。同時に、電場強度の増大と流速の低下に伴い、流路内に多数の固定した(移動しない)クラスターからなる島状の閉塞した領域が現れ蛇行した川状の流路が形成されることを見出した。これらの流動様式の定常性と流れの一様性の観点から、DC電圧制御とPWM制御の場合に流動パターンをそれぞれ3種に分類し、電場強度、流速、電極間隙及び流路幅などの流動条件に対する各流動パターンの発生領域を明らかにし、マイクロ流動特性とER効果との関連性を明確にして、マイクロERバルブの設計指針とその制御法を提示している。 さらに、マイクロERサーボバルブを用いたマイクロアクチュエータシステムを構築する方法として、厚膜用フォトレジスト材料を用いたフォトレジスト法によるマイクロ流路の製作と蒸着による電極構成法を試み、流路間隙が0.05〜0.1mm程度のマイクロチャンネルが製作できることを確認している。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] M.Nakano: "Dynamic viscoelasticity in oscillatory slit flow of an ER suspension containing sulfonated polymer particles"International Journal of Modern Physics B. Vol.3,No.14,15&16. 1870-1877 (1999)
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[Publications] M.Nakano: "PWM flow rate control of ER valve and its application to ER actuator control"International Journal of Modern Physics B. Vol.3,No.14,15&16. 2168-2175 (1999)
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[Publications] M.Nakano: "Narrow slit flow an Electrorheological fluid"Abstracts of 7th Int. Conf. On ERF and MRS. 72-72 (1999)
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[Publications] S.L.Vieira: "Visualiation of ER fluid microstructure in oscillatory slit flow"Proc. Of 4th JHPS Int.Symp.on Fluid Power. 371-376 (1999)
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[Publications] S.L.Vieira: "Mechanical properties of an ER fluid in tensile, compression and oscillatory squeeze tests"International Journal of Modern Physics B. (印刷中). (2000)
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[Publications] R.Aizawa: "Hysteresis phenomenon in flow-curves of ER fluids containing sulfonated polymer particles"International Journal of Modern Physics B. (印刷中). (2000)
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[Publications] S.L.Vieira: "Transient behavior of microstructure of electrorheological fluids in shear flow mode"International Journal of Modern Physics B. (印刷中). (2000)
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[Publications] 松下浩一: "超高真空中接触角測定法によるGaAs基板表面の『その場』観察"電子情報通信学会技術研究報告. CPM-99-50. 19-24 (1999)
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[Publications] 中野政身: "電気粘性(ER)流体の開発"シーエムシー. 288 (1999)