2001 Fiscal Year Annual Research Report
ER流体のマイクロ流動とそのマイクロシステムへの応用
Project/Area Number |
11450097
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中野 政身 山形大学, 工学部, 教授 (40147947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 聡 山形大学, 工学部, 助手 (40333992)
松下 浩一 山形大学, 工学部, 教授 (70124625)
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Keywords | 分散系ER流体 / 回転せん断流れ / スクイーズ流れ / マイクロ流動 / ERマイクロアクチュエータ / PWM制御 / ER圧電マイクロポンプ / フォトリソグラフィ |
Research Abstract |
本年度は,二種類の分散系ER流体を取り上げ,0.1mm程度のマイクロギャップをもつ回転せん断流れとスクイーズ流れの二種の流れモードにおけるマイクロ流動特性を可視化観察によって明らかにし,それぞれのER特性との関連性について検討し,マイクロシステムに適した分散系ER流体とその応用に際しての設計指針を与えた. さらに,マイクロシステムの一例として,分散系ER流体を作動媒体とする2つのERバルブとダイアフラム駆動部からなるマイクロアクチュエータをフォトリソグラフィ法によって構築し,オープンループ制御及びPID位置フィードバック制御を適用した場合のダイアフラムの応答特性からその性能評価を行った.構築したマイクロアクチュエータは電極間隔約100μm,流路幅2mmの微細なERバルブを二つ有し,その間にダイアフラム駆動部があり,PWM制御された二つのERバルブによってダイアフラム室への流量を連続的に制御してダイアフラムが駆動される.オープンループ制御実験においては,ERバルブ間のオーバーラップ量の適用により位相特性が改善されるという結果を得ている.PID位置フィードバック制御実験においては,ダイアフラムの目標変位振幅が小さいほど良好なゲイン及び位相特性をもつ周波数特性が得られることを実験的に示した.さらに,今回のマイクロ化に伴って生じる諸問題を明らかにし,アクチュエータの駆動原理や種々の制御パラメータの影響について検討することによって,マイクロアクチュエータの性能向上の可能性を提示できた. また,PVDFの圧電フィルムをダイアフラムの駆動源として用いた分散系ER流体用ダイアフラム型マイクロポンプの開発を実施した.円形ユニモルフ型圧電フィルムからなるダイアフラムの印加電圧に対する変形解析を行い吐出流量について検討するとともに,実際に直径10mmの圧電ダイアフラムポンプを製作しそのポンピング性能を評価した.圧電ダイアフラムは印加電圧に比例して変形し,ダイアフラムの変形体積に相当する吐出流量も印加電圧に比例して増加することを解析的に示した.また,試作した圧電ポンプでは,ダイアフラム室への流入側ERバルブと流出側ERバルブを交互にON-OFFするが,その信号の圧電ダイアフラム駆動電圧信号に対する位相φと信号周波数fを適切に調節(φ=60deg,f=10Hz)することによって,最大流量(Q=24μl/min),最大吐出圧力約19mmH^2Oが得られることを明らかにした.
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Research Products
(12 results)
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[Publications] M.Nakano: "Transient behavior of microstructure of electrorheological fluids in shear flow mode"International Journal of Modern Physics B. 15・6&7. 695-703 (2001)
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[Publications] M.Nakano: "Mechanical properties of an ER fluid in tensile,compression and oscillatory squeeze tests"International Journal of Modern Physics B. 15・6&7. 714-722 (2001)
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[Publications] R.Aizawa: "Hysteresis phenomenon in flow-curves of ER fluids containing sulfonated polymer particles"International Journal of Modern Physics B. 15・6&7. 1070-1077 (2001)
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[Publications] 山本英樹: "MR流体の圧力流れモードにおけるレオロジー特性とその動的機械モデル"日本レオロジー学会誌. 30・2. 83-88 (2002)
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[Publications] M.Nakano: "ER properties and microstructure of an ER fluid between two parallel disk electrodes in squeeze flow mode"Proceedings of 8^<th> Int.Conf.on ER fluids and MR suspensions. D-2 (2001)
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[Publications] M.Nakano: "Three-ports micro ER valve fabricated by photolithography"Proceedings of 8^<th> Int.Conf.on ER fluids and MR suspensions. PA-9 (2001)
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[Publications] M.Nakano: "Hysteresis phenomenon and related microstructures of ER fluids between two relatively rotating parallel disks"Proceedings of the first international symposium on advanced fluid information(AFI-2001). 498-501 (2001)
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[Publications] K.Matsushita: "Characterization of Pure Water Treated GaAs Surfaces by Measuring Contact Angles of Water Droplets"Journal of Electrochemical Society. 148・8. G401-G405 (2001)
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[Publications] K.Matsushita: "In-Situ Observation of GaAs Surface in High Vacuum by Contact Angle Measurement"Electronics and Communications in Japan,Part2. 84・11. 51-59 (2001)
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[Publications] 加藤輝雄: "フォトリソグラフィ法によって製作した分散系ER流体用3ポートマイクロERバルブ"JSME第79期流体工学部門講演会CD-ROM版講演論文集. No.01-3・論文No.511. 1-4 (2001)
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[Publications] 中野政身: "分散系ER流体のスクイーズ流れモードにおけるER効果とマイクロ流動特性"JSME第79期流体工学部門講演会CD-ROM版講演論文集. No.01-3・論文No.512. 1-4 (2001)
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[Publications] 中野 政身 (編集・分担執筆): "機能性流体の油空圧機器への応用に関する研究委員会研究成果報告書"日本フルードパワーシステム学会. 227 (2002)