1999 Fiscal Year Annual Research Report
形状記憶ポリマーを用いた膨膜マイクロマニピュレータの開発
Project/Area Number |
11450102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
神谷 大輝 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (60282860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 三喜男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (00126327)
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Keywords | アクチュエータ / マイクロマニピュレータ / 膨膜 / 形状記憶樹脂 / ゴム状弾性 / 材料試験 |
Research Abstract |
本研究では,微小化に適したマイクロマニピュレータとして形状記憶樹脂を用いた膨膜形フレキシブルマイクロマニピュレータを提案し,形状記憶ポリマーの材料特性の把握,設計指針の確立,制作プロセスの確立,試作,ならびに動作特性の解明により膨膜形フレキシブルマイクロマニピュレータを開発することを目的としている. はじめに,形状記憶樹脂の材料特性を把握するために温度を変化させて引張試験を行った.試験片は射出成形により製作し,試験片の温度は試験片の雰囲気温度を変化させることにより制御した.負荷を3.5MPa一定として,温度とひずみの関係を調べた結果,ガラス転移温度が約50℃であり,これ以上の温度ではひずみは温度に対して直線的に増大し100℃では70%であることが確認された.また,室温におけるヤング率は3.2GPa,弾性限界ひずみは2.5%,破断ひずみが4%である.一方,90℃において200%ひずみの弾性係数は2.9MPaと室温の1000分の1の柔らかさであることから,予定されるマニピュレータの膨膜部とそれ以外の構造部を同じ厚さのパイプ形状としても十分であることが確認された.90℃における,利用可能ひずみはおおよそ200%である.次に小形射出成形器をもちいて,成形性を確認したところ長さ70mm,直径1mmの軸の成形を確認した.また,成形時の残留応力が材料の変形に大きく影響することを確認し,その解決方法として100℃において2時間程度アニーリングすることで十分解決できることを確認した.
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Research Products
(1 results)