1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大西 利只 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10261330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 昭雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教務職技官
伊藤 雄三 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50001269)
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Keywords | 超伝導限流器 / 可変リアクタンス / 多機能限流器 / アクテイブ制御 / 伝導冷却 |
Research Abstract |
本年度は、1.高性能化(磁気遮蔽型超伝導限流器の再閉入特性の向上)、2.多機能化(高速可変リアクトル機能の付与)の2点に関して研究を行い、以下の成果を得た。 高性能化の研究に関して、種々の形状の薄板状超伝導体(材料:BSCCO2223)について液体窒素の冷却熱流束の非線形性、磁束流抵抗の磁界及び温度依存性、臨界電流の温度依存性等を考慮して詳細な熱解析および実験を行い、系統故障を模擬した大電流を印加しときの超伝導体の初期温度上昇、電流遮断後の冷却過程等を検討した。その結果、超伝導体の温度上昇はほとんど冷却表面積に依存しないが、冷却特性はそれに大きく依存するという知見を得た。特に、最高上昇温度が液体窒素の核沸騰領域内に止まるかそれを超えて膜沸騰領域に突入するかで電流遮断後の冷却特性に大きな差が生じることが分かった。これらの知見に基づき迅速な超伝導復帰の可能な超伝導磁気遮蔽体の設計を行い、限流器モデルを試作した。 多機能化の研究に関して、磁束流状態の制御法を検討した。これまで提案してきた超伝導磁気遮蔽体に巻線したトロイダルコイルに数kHzの交流電流を印加する制御法は1ms以下の迅速な制御には適しているが、磁束流抵抗を広範囲に変化させるためにはさらに工夫が必要である。そこで、迅速な冷却が可能で、かつ磁束流抵抗も大幅に変化できるように薄板リング状超伝導体の間に薄膜加熱体を挟み込み固着する方法を考案し、それを用いて前記限流器モデルを試作した。現在、本モデルによる限流インピーダンスのアクテイブ可変制御実験に着手している。両者の方法を組み合わせることにより迅速性とインピーダンスの広範囲変化を実現できると考えている。さらに、多機能化の一環として磁気遮蔽体の伝導冷却に着目して安定性等について基礎的検討を行った。
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Research Products
(1 results)