2000 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙環境におけるエネルギー機器の帯電・放電制御に関する研究
Project/Area Number |
11450113
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
匹田 政幸 九州工業大学, 工学部, 教授 (40156568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
趙 孟佑 九州工業大学, 工学部, 助教授 (60243333)
萩森 英一 九州工業大学, 工学部, 教授 (20242290)
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Keywords | 宇宙環境 / 帯電・放電 / エネルギー機器 |
Research Abstract |
低地球軌道(LEO:Low Earth Orbit)で建設される国際宇宙ステーションや宇宙太陽発電衛星(SPS:Solar Power Satellite)のような大電力(>100kW)を必要とする大型の宇宙機は,100Vを越すような高電圧で運用する必要がある。しかし,太陽電池アレイが宇宙空間で高電圧を持つと,宇宙プラズマとの相互作用により,トリプルジャンクション(導電体であるインタコネクタと絶縁体である接着剤およびカバーガラスと真空の三つが重なる箇所)近傍の電界が強められ,放電に至る。太陽電池で放電が度重なって起こると,放電発生箇所の表面劣化による太陽電池の効率の低下や回路破壊にもつながる。 このような背景のもと,本研究では1kVを越えた電圧でも長期間安定した運用が可能な高電圧太陽電池の開発を目指して,基礎研究を行った。本論文の目的は,カバーガラスの帯電を防いでトリプルジャンクションの電界集中を抑えて,放電を抑制する方法を実験により検討することにある。検討した放電抑制方法とは以下に述べる三つの方法である。(1)透明な絶縁性フィルムをカバーガラス前面にバリヤーとして取り付け、イオンを物理的に阻止する。(2)インタコネクタの真上に導電性のワイヤを配置し、インタコネクタから出るシース領域の広がりを抑え、帯電時間を遅らせる。また、放電プラズマの拡大も防ぐ。(3)太陽電池カバーガラス表面に導電性コーティングを施して、インタコネクタとITOを同電位にすることでトリプルジャンクションでの電界集中をなくす。これらの抑制方法の効果について、放電頻度の抑制という観点から検討した。
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