2000 Fiscal Year Annual Research Report
耐高温ハロゲン化金属特性を有する放電管構成材料の開発
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11450114
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Research Institution | FUKUI NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
井上 昭浩 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 教授 (00311019)
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Keywords | 耐ハロゲン化金属膜 / 金属ハロゲン蒸気 / 高温紫外照射 / 無電極放電ランプ保獲膜 / 炭化珪素 / 窒化珪素 |
Research Abstract |
1.研究方法 HIDランプでは発光封入物と容器である石英とが反応してランプ寿命を決定し、期待されたほど寿命が延びない。本研究は管内面に保護膜を形成し寿命改善を図るための基礎実験を行った。研究方法として石英基板に各種薄膜を形成し、ScI3及びNaI複合塩を封入した容器内で(1)1,000℃加熱100時間、(2)紫外照射100時間、(3)1000℃加熱下にて紫外線照射100時間における薄膜の変化を観察した。 2.膜材料及び形成法 石英基板上への薄膜形成は昨年度行った放電スパッタ法によるAl_2O_3、AlN、SiO_2、Si_3N_4、に加えSiC、MgF_2の6種類について検討した。 3.結果 上記薄膜の紫外線照射効果、高温ハロゲン化金属蒸気との反応などを調査した結果、以下のことが判明した。 (1)HIDランプ用保護薄膜としては、SiCがもっとも強いと期待される。次いでSi_3N_4、AlNの順と成る。 (2)薄膜に大気中で紫外線を照射すると薄膜の透過率が向上する。また真空中で薄膜に紫外線を照射すると還元によると見られる黒化が起こる。このことは大気中ではオゾン生成による酸化が進み、真空中では還元が起きていると推定される。またこれに対応して膜厚も変化している。紫外線照射によって薄膜の形成状態の良否を判断できる可能性があるものと見られる。 (3)窒化膜および炭化膜は石英基板と強固に結合し、理想的な保護膜と言いうる。 (4)膜厚が厚い場合にはファインクラックが見られる。また透過率の低下もきたす。透過率から言えば、膜厚dと消光係数kの積が10以下であれば、透過率は80%以上となる。したがって膜厚dと消光係数kの積を10以下にすべきである。 (5)酸化アルミAl_2O_3の場合には表面に微結晶が形成される。 (6)加速評価試験として反応温度を1000℃或いはそれ以上とすることが有効であることも判明した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井上昭浩,堀井直宏: "ハロゲン化金属蒸気下における薄膜の挙動"平成12年照明学会全国大会予稿集. 73 (2000)
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[Publications] 井上昭浩,堀井直宏,Mohd Huzaily Bin Ishak: "ハロゲン化金属蒸気下における薄膜の挙動"電子情報通信学会 技術報告(信学技報). EE2000-19. 15 (2000)
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[Publications] 井上昭浩,堀井直宏,Mohd Huzaily Bin Ishak: "ハロゲン化金属蒸気下における薄膜の挙動"照明学会研究会資料. LS-00-32. 15 (2000)