2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450128
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 路軍 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (50326279)
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (60202529)
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Keywords | ポリシラン / 配向 / 光学吸収スペクトル / 状態密度 / 光開裂 |
Research Abstract |
(c-HexSiMe)_nの一定風量下ディッピング法による配向膜とキャスト法によるランダム配向膜について,偏光フォトルミネセンスの励起スペクトルを計測し,次のことを明らかにした.発光ピーク波長(350nm)の励起スペクトルは,ランダム配向の場合,322nmから340nmにかけて緩やかに大きくなり347nmに向かって減少するが,明瞭なピークはない.しかし,ディッピング配向膜では342nmに明瞭なピークが見られる.つまり,主鎖のセグメント長が配向によって揃ったことを意味する.これは,タイムオブフライト法で見積もったキャリア伝導に関わるホッピングサイトのエネルギー揺らぎが,ランダム配向膜に比ベディッピング膜の場合約60%に減少したことに対応する. 面延伸法により芳香族置換基をもつ(MeSiPh)_nの他,直鎖アルキル基をもつ(n-Pentyl_2Si)_nおよび(n-Hex_2Si)_nについて配向膜を作製し,配向度および側鎖分子の配向状態について紫外光および赤外光吸収特性から調べた.さらに,(MeSiPh)_nについては光熱偏向分光分析法によりギャップ内準位を,タイムオブフライト法によりキャリア輸送特性を調べた.これにより次のことが明らかになった.配向膜の延伸率は210〜230%であり,84%〜94%の主鎖が膜厚方向に配向している.また,フェニル基はその90%以上がリング面を主鎖に対し垂直に保っており,ペンチルおよびヘキシルの直鎖基は主鎖に垂直面内にトランス面をもつような構造をとる.本研究で開発した面延伸法が優れた配向法であることが実証された.ギャップ内の深い準位密度は配向によって約1桁減少し,アーバッハエネルギーも小さくなることが分かった.また,正孔の移動度が配向によって1桁上昇したことを確認した.しかし,その増加は予測より未だ小さくその原因を探求中である.
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[Publications] 稲木洋行,長三幸弘,中山喜萬: "ポリシランの面延伸配向法"第47回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2000.3,青山学院大学). 1282 (2000)
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[Publications] T,Fujii,L.Pan,Y.Nakayama: "Subgap Absorption Spectra in Polysilane Films"Japanese Journal of Applied Physics. 39・6A. 172-175 (2000)
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[Publications] Y.Nokayama,J.Inagi.T.Fujii,L.Pan: "Photoinduced Phenomena in Polysilane Films"Proceedings of 4th International Conference on Thin Film Physics and Applications. 715-720 (2000)
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[Publications] 長三幸弘,潘路軍,秋田成司,中山喜萬: "ポリシラン面延伸配向法(II)"第61回応用物理学会学術講演会講演予稿集(2000.9,北海道大学). 1100 (2000)
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[Publications] Y.Nakayama,H.Inagi,Y.Nagami,J.Katayama,L.Par: "Orientation of polysilanes along the film thickness and their properties"Proceedings of Imaging and Science Technology's NIP16. 483-487 (2000)
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[Publications] Y.Nakayama,Y.Inagi,J.Katayama,L.Pan,S.Akita: "Orientation of polysilanes and their properties"Proceedings of Japan-Korea Joint Symposium on Imaging materials and technologies. 17-20 (2000)