2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450128
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Research Institution | Osaka Prefecture Uiversity |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
潘 路軍 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (50326279)
秋田 成司 大阪府立大学, 工学研究科, 講師 (60202529)
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Keywords | ポリシラン / 配向 / 芳香族置換基 / 光学吸収スペクトル / キャリアトラップ / 熱刺激電流 / 吸熱反応 / 光主鎖開裂 |
Research Abstract |
芳香族置換基をもつポリシランとして(MeSiPh)_nの他類似の(MeSi-p-Tol)_nおよび(MeSi-m-Tol)_nについて、面延伸法により200%以上延伸した配向膜を作製し、分子配向状態と(MeSiPh)_nに特有のキャリアトラップについて調べ次のことを明らかにした。分子配向状態については、紫外および赤外吸収スペクトル変化により調べ、何れの場合も(MeSiPh)_nと同様に80%程度の主鎖が配向し、フェニルリング面が主鎖に垂直配置をとる。 (MeSiPh)_n膜特有の光キャリアトラップは、無配向膜の熱刺激電流計測と示差走査熱量分析によって明らかになったもので、室温で埋めることができるが低温ではできない、また、そこからのキャリア放出は、室温で起きず、室温より低い(恐らく側鎖基の)吸熱運動が起きる特定の温度で起きる性質をもつ。つまり、接近した2つのフェニル基が光キャリア(正孔と考えられる)の存在によってπ-π状態をつくりキャリアをトラップする。これは構造トラップであり分子運動が必要なので室温程度の温度が必要である。一方、トラップされたキャリアは室温でも放出されず、低温の吸熱分子運動によってπ-π状態が壊され放出される。この現象は、(MeSiph)_nの配向により、吸熱運動温度が高くなること、トラップされたキャリアの放出速度が速くなることが明らかになった。また、トリル基のパラ配置は(MeSiPh)_nの特性に影響を与えないが、メタ配置は立体障害を誘起し、無配向時の吸熱運動温度を高め、配向による影響は顕わにならない。ただし、トラップキャリアの放出速度は速くなることも明らかになった。配向による効果は、隣接する分子間相互作用に起因するものである。 分子間相互作用は、光主鎖開裂断面積に反映されるという仮定の下で、一定風量下ディッピング法による(c-HexSiMe)_n配向膜について実証実験を進めている。その解析法については、薄膜ポリシランについて定式化した光主鎖開裂過程を厚膜に展開し準備した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Y.Nakayama, H.Inagi, T.Fujii, L.Pan: "Photoinduced Phenomena in Polysilane Films (invited)"Proc.4th Int.Conf.on Thin Film Physics and Applications, eds.J.Chu, P.Liu, Y.Chang. 715-720 (2001)
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[Publications] 片山順多, 長三幸弘, 潘路軍, 秋田成司, 中山喜萬: "膜厚方向に配向したポリシランにおける正孔輸送特性"第48回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 3. 1265 (2001)
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[Publications] 小原史也, 潘路軍, 秋田成司, 中山喜萬: "ディッピング法によるポリシラン配向膜のルミネセンス特性"第48回応用物理学関係連合講演会講演予稿集. 3. 1265 (2001)
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[Publications] 長三幸弘, 潘路軍, 秋田成司, 中山喜萬: "膜厚方向に配向したポリシランにおけるキャリアトラップ"第62回応用物理学会学術講演会講演予稿集. 3. 972 (2001)
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[Publications] Y.Nakayama, T.Nagami, J.Katayama, L.Pan, S.Akita: "Study on the Properties of Oriented Polysilane Films(invited)"Proc.of 4th International Conference on Imaging Science and Hardcopy. 126-129 (2001)
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[Publications] 長三幸弘, 潘路軍, 秋田成司, 中山喜萬: "ポリシランのキャリアトラップと配向による効果"第88回日本画像学会研究討論会講演予稿集. 92-95 (2001)
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[Publications] Y.Nakayama, T.Nagami, L.Pan, S.Akita: "Carrier Trapping in Polysilane Film Aligned Along the Thickness"Proc.of Korea-Japan Joint Symposium on Imaging Materials and Technologies 2001. 26-29 (2001)
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[Publications] T.Nagami, L.Pan, S.Akita, Y.Nakayama: "Substituent Dependence and Orientation Effect on Carrier Trapping in Polysilane Films"International Congress of imaging Science 2002. (発表予定). (2002)