2000 Fiscal Year Annual Research Report
時間相関イメージセンサに基づく新世代パターン計測技術の基礎的研究
Project/Area Number |
11450158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安藤 繁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70134468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
来海 暁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30312987)
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Keywords | CMOSビジョンチップ / 知能化センサ / 相関計測 / 画像センシング / 能動センシング / 固視微動 / 三次元計測 / パターン計測 |
Research Abstract |
本研究の目的は、能動的な画像センシングに適した新しい原理のイメージセンサである時間相関イメージセンサを開発し、それに基づいて従来にない新しいパターン計測技術を展開してゆくことにある。時間相関イメージセンサとは、入射光強度と全画素共通に与える外部電気信号との時間相関を出力するイメージセンサであり、従来の汎用イメージセンサでは不可能だった、光パターン入力の高周波時間軸情報を利用した画像センシングを可能にするものである。本研究で取り組むべき主な課題は、1)時間相関イメージセンサのための能動計測理論の構築、2)汎用CMOSプロセスで容易に集積化可能な設計法の確立、3)256×256画素を目標とした半導体チップの試作と検証、4)画像処理・画像認識・画像計測のための応用システムの構築、であり、前年度までに1)64×64画素の試作、2)振動パターン計測法の提案、3)三次元計測法の提案、2)時間相関型光位置検出素子(PSD)の提案と試作、を行ってきた。これを承けた本年度の成果は以下の通りである。 1.ディジタル画素時間相関イメージセンサの提案と試作 時間相関演算をディジタル的に実行する時間相関イメージセンサを提案し、16×16画素および3チャネル出力のセンサチップを東京大学VDEC(VLSI設計教育センター)提供の0.6μmCMOSプロセスを利用して試作し、その動作を確認した。本ディジタル方式では、積分キャパシタの容量が占有面積に対し指数的に増加するため、プロセスの細密化に伴いアナログ演算方式に比べて画素面積利用効率の点で有利になることが予想される。 2.固視微動型センサに基づく画像の局所対称特徴抽出法の提案 我々の提案する固視微動型センサとは、時間相関イメージセンサに周期的振動を加えセンサ上で同期検波を行うことにより画像特徴を出力するセンサをいう。この応用として、回転あるいは拡大縮小に関する局所対称性を持つ特徴をそれぞれ分離抽出する方法を提案した。またシミュレーションにより、本センサがエッジやコーナーなど通常画像の特徴と見なされる局所領域に対して特に敏感に応答することを確認した。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] A.Kimachi,T.Kurihara,M.Takamoto and S.Ando: "A novel range finding system using correlation image sensor"Tech.Digest of 17th Sensor Symp.,Kawasaki,Japan. 125-130 (2000)
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[Publications] M.Takahashi,A.Kimachi and S.Ando: "Time-domain correlation PSD (position-sensitive detector) : design, fabrication and new applications"Tech.Digest of 17th Sensor Symp., Kawasaki, Japan. 131-136 (2000)
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[Publications] 柴田,本谷,来海,安藤: "画像の局所的log-polar解析とその固視微動型センサへの応用"第6回画像センシングシンポジウム講演論文集,横浜. 207-212 (2000)
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[Publications] 来海,栗原,高本,安藤: "時間相関型イメージセンサを用いた実時間三次元計測システム"第6回画像センシングシンポジウム講演論文集,横浜. 309-314 (2000)
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[Publications] 土屋,来海,安藤: "全ディジタル画素時間相関型イメージセンサ:16×16画素CMOSセンサの試作"第39回計測自動制御学会学術講演会予稿集,飯塚. 201B-1 (2000)
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[Publications] 栗原,高本,来海,安藤: "時間相関型イメージセンサを用いた立体計測システム"第39回計測自動制御学会学術講演会予稿集,飯塚. 201B-2 (2000)
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[Publications] 本谷,柴田,来海,安藤: "画像の局所的対称性に基づく固視微動型センサによる特徴計測"第17回センシングフォーラムシンポジウム,東京. 61-66 (2000)
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[Publications] 来海,栗原,高本,安藤: "時間相関イメージセンサを用いた三次元計測システム"第17回センシングフォーラムシンポジウム,東京. 37-41 (2000)
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[Publications] A.Kimachi,T.Kurihara,M.Takamoto and S.Ando: "Novel range finding system using correlation image sensor"Proc.SPIE. 4309. 259-266 (2001)