Research Abstract |
交通基盤施設の計画,建設,維持管理,廃棄段階までを考慮したライフサイクルアナリシスをコストおよび環境負荷について行えるモデル化とシステムを行い,より合理的な交通基盤施設の整備,維持管理手法を研究した.まず,橋梁を取り上げて,最近提案されているミニマムメンテナンス橋や少数桁橋梁について,コストおよび二酸化炭素排出量を指標にした地球環境負荷について,従来形式の多主桁橋梁との比較研究を行った.各種データを収集整理したが,不十分なものに対しては,熟練技術者にヒヤリングを行うことによって,合理的な仮定を設けた.その結果,ミニマムメンテナンス橋や少数主桁橋梁は,従来型の多種桁橋梁に比べて,ライフサイクルコストだけでなくライフサイクル環境負荷についても,有利な橋梁形式であることを明らかにした.ただし,橋梁のライフタイムの設定については,大きな問題があり,各部材ごとの寿命についての基礎的データが不足していることが分かった.特に,新防錆技術に関しての基礎データが払拭しており,亜鉛アルミ容溶射などの新防錆の環境促進実験のパイロット実験を開始し,従来防錆との違いを明らかにし始めた.また,地球環境負荷にも関連した廃棄物や建設副産物のリサイクルについても検討を開始,ライフサイクルにおけるコストと環境負荷に与える影響の検討を開始し,大まかな見通しを得た. 道路舗装に関しては,最新の情報処理技術を用いて,ライフサイクルに情報が流れ,ライフサイクルシステムの設計が可能となるような枠組みを明らかにして,プロトタイプシステムを試作した.その結果,種々の段階でのライフサイクルのコストと環境負荷を考慮したシステムの可能性を明らかにした.今後の,研究により道路CALSに適用をはかり,その実用性を明らかにしていく予定である.
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