2001 Fiscal Year Annual Research Report
通勤者の出発時刻選択を考慮した3次元時空間鉄道ネットワークの均衝配分手法の確立
Project/Area Number |
11450192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
家田 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90168089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺部 慎太郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60302585)
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Keywords | 時空間ネットワーク / 利用者配分手法 / 鉄道通勤者 |
Research Abstract |
1.東京都市圏の通勤鉄道の時刻集中特性の再現 時空間ネットワーク上の利用者配分手法を東京都市圏の鉄道網に適用した.その際,郊外路線の上がり方向の需要集中特性をマクロ的に予測することに主眼をおき,首都圏の鉄道ネットワークを一次元・一方向に簡略化した.この簡略化の必然的なOD表の変換および輸送力の変換も適切な方法で行った.続いて,この簡略化された鉄道ネットワークに時間軸を加えた,この時空間ネットワークの簡略化により,首都圏の鉄道ネットワークでの通勤者の配分は短時間の計算でも可能となり,操作性が大幅に改善された.簡略化された時空間ネットワークを用いて通勤者の配分を行った結果,首都圏の鉄道における時刻集中特性の現状を高い精度で再現できた. 2.東京都市圏の鉄道の混雑状況の予測および政策評価 将来における労働人口の減少,フレックスタイム制や時差通勤の浸透など,勤務時間制度の変化および現在進行中の鉄道の輸送力増強計画の完成を想定したシナリオに,時空間ネットワーク上の利用者配分手法を適用し,将来の東京都市圏の通勤鉄道の混雑状況の変化を予測した.その結果,需要の減少を最も楽観的に想定し,現在進行中の鉄道輸送力増強計画の全てが完成した場合でも,運輸政策審議会が掲げる「ピーク時の平均混雑率150%」という目標を達成するのは困難であることが分かった.従って,快適な通勤鉄道を達成するには輸送力の更なる整備が必要であることが示唆できた.
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