2000 Fiscal Year Annual Research Report
運転者属性を考慮したサグ部の交通挙動と縦断線形および視環境との関連性分析-超高齢社会における高速道路・一般道路の整備に向けて-
Project/Area Number |
11450194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森 康男 大阪大学, 工学研究科, 教授 (60230083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大口 敬 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90281245)
木村 一裕 秋田大学, 工学資源学部, 助教授 (60177912)
山田 稔 茨城大学, 工学部, 助教授 (50182556)
飯田 克弘 大阪大学, 工学研究科, 講師 (70222809)
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Keywords | 高速道路 / サグ / 室内実験 / ドライビングシミュレーター / ボトルネック / 注視点 / 視認性 |
Research Abstract |
本研究は,超高齢社会における高速道路・一般道路の整備に向けて,運転者属性を考慮したサグ部の交通挙動と縦断線形および視環境との関連性分析を目的として実施した.今年度得られた成果を以下に要約する. まず,一般道のサグ部での追従特性について,各車両の信号発進時からサグ部を通過する間の挙動の連続的な観測による分析を行い,被験者実験の結果を用いることにより観測点間の特性変化についての知見を得た.これらの分析結果より,サグ部における追従特性の運転者の個人間の特性の差異を表現する指標を提案した. 次に,高速道路サグ部の道路構造改善案の評価を行うために,ドライビングシミュレータを用いた室内実験で運転挙動データを収集すると同時に,運転挙動変化に至る意志決定過程を体系的に抽出し,データ解釈の根拠を得ることを目的として,プロトコル法によるヒアリング調査を行ったそして,ヒアリング調査の結果を考慮して,分析で用いる運転挙動データの吟味を試みた.さらに,縦断曲線半径を小さくした案,前方視界を改善した案の評価を試みた.この際,運転挙動データとともにヒアリング調査の結果を用いることで,新しい側面からの評価を試みた. さらに,サグ部における追従挙動特性をVRドライビングシミュレータを用いて分析し,シミュレータの追従挙動特性に関する再現性を確認するとともに,仮想的な縦断線形条件のサグを作成し,シミュレータにより実験的な車群内交通流を実現して,縦断線形条件と追従挙動の関係を解析した. 加えて,自動車運転者の視環境が厳しく問われる状況について,交通場面としては,道路案内標識の判断やトンネル内走行時,交差点における右折ギャップ選択時の注視特性を分析するとともに,高齢者など,運転者属性の違いによる注視特性を把握するため,CGアニメーションを用いたいくつかの交通場面の設定と解析を行った.
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[Publications] 飯田克弘,池田武司,河井健,森康男,山岸将人: "プロトコル法を用いた運転者挙動分析結果に基づくサグ部の道路構造改善方針の検討"土木計画学研究・講演集. No.23(2). 813-816 (2000)
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[Publications] 河井健,飯田克弘,森康男,山岸将人,野口雅弘: "室内実験によるサグ部の運転者挙動分析結果に基づく道路構造改善方針の検討"土木学会第55回年次学術講演会講演概要集. 第4部. 26-27 (2000)
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[Publications] T.Oguchi: "Needs for Developping New Car-following Model for Evaluating Cruise-Assist Highway Systems"Proc.of 7th WC on ITS (Torino). (CD-ROM). (2000)
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[Publications] 大口敬: "高速道路単路部渋滞発生解析-追従挙動モデルの整理と今後の展望-"土木学会論文集. No.660/IV-49. 39-51 (2000)
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[Publications] 山田稔,荒井重喜: "運転者属性を考慮したサグ区間における運転者の追従特性に関する研究"土木計画学研究・講演集. No.23(2). 805-808 (2000)
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[Publications] 木村一裕,清水浩志郎,相原良孝: "CG映像を用いたトンネル内の視線誘導方策に関する研究"交通工学研究発表会論文集. 20号. 25-28 (2000)
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[Publications] 相原良孝,木村一裕,溝端光雄,高宮進,前川佳史,清水浩志郎: "道路案内標識通過時における高齢ドライバーの運転特性ならびに判断能力"土木計画学研究・講演集. No.23(2). 895-898 (2000)