2000 Fiscal Year Annual Research Report
都市生活空間の快適性向上のための気候環境調整手法に関する研究
Project/Area Number |
11450217
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
石井 昭夫 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (40087276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 基之 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (30295000)
堤 純一郎 琉球大学, 工学部, 助教授 (60192647)
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Keywords | 都市 / 熱環境 / 着衣 / 温熱感覚 / 気温分布 / 天空率 |
Research Abstract |
1.人間側からのアプローチ (1)昨年度福岡で行ったのと同様の方法で、沖縄において屋外歩行者を対象とした着衣に関するアンケート調査を行った。7月・10月・12月の3期間に調査を行い、のべ203人分の有効回答を得た。調査結果を用いて、着衣量を男女別に算出した。また、昨年度の福岡での調査結果から構築した着衣量推定式による推定着衣量との比較を行ったところ、両者の値は概ね一致した。 (2)昨年度福岡で行った着衣調査のデータを用い、温熱感覚と着衣量との関係について検討を行った。冬季では温冷感が中立に近くなる着衣が選択されているのに対し、夏季では多くの人が暑いと感じており、適切な着衣が選択されていないこと等が分かった。 2.環境側からのアプローチ (1)那覇市中心市街地を含む東西8km・南北2kmの範囲について、自動車を用いた気温・湿度の移動測定を行った。また、測定結果を時間補正することにより、気温の等温線図・湿度の分布図を、昼間・夜間別に作成した。気温については、中心市街地と、その東に位置する大規模公園・緑地を含む低層住宅地とで、昼間に最大4℃程度の差がみられた。湿度については、特に特徴的な分布はみられなかった。 (2)昨年度の検討結果を用いて、建物モデルを使った那覇市内各所の天空率の計算を行った。また、この計算結果と2.(1)で行った気温の実測結果との関係について検討した。天空率と気温との関係は、対象区域によってその傾向に違いが見られた。 3.その他 昨年度行った被験者実験・着衣調査で用いた風速計複数台について、風速が同じでも風速計により指示値が異なることが判明した。そこで、これを校正するための実験を風洞・フィールドの双方で行い、補正式を算出するとともに、昨年度の測定結果の補正を行った。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] 城野修 ほか: "屋外における着衣に関するアンケート調査 その2 年間調査に基く着衣量の年齢別・男女別・職業別特性"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 423-424 (2000)
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[Publications] 大井元 ほか: "屋外における着衣に関するアンケート調査 その3 着衣量推定式の構築"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 425-426 (2000)
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[Publications] 井原泰志 ほか: "屋外温熱環境に関する被験者実験"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 381-382 (2000)
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[Publications] 仲尾次弘 ほか: "都市熱環境解析のための市街地調査と建物のモデル化 (その8) 建物モデルと天空率の関係"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 607-608 (2000)
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[Publications] 仲松亮 ほか: "都市熱環境解析のための市街地調査と建物のモデル化 (その9) 建物モデルによるグローブ温度の計算"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 609-610 (2000)
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[Publications] 堤純一郎 ほか: "地表面材料が気温分布に及ぼす影響に関する実測調査 (その5) 屋上に設置した砂層表面および近傍温度"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 613-614 (2000)
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[Publications] 安井文男 ほか: "那覇の中心市街地における気温分布の実測"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-1. 655-656 (2000)
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[Publications] Jun-ichiro G.Tsutsumi: "Characteristics of surface temperature on natural and artificial ground covering materials in the night time"3rd Japanese-German Symposium on Urban Climatology. 16-17 (2000)
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[Publications] 堤純一郎 ほか: "屋外温熱環境の変動と人体の温熱感覚に関する申告実験"第24回人間-生活環境系シンポジウム報告集. 89-92 (2000)
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[Publications] 安井文男 ほか: "着衣量と屋外の温熱感覚に関する調査研究"日本建築学会九州支部研究報告. 第40号・2. 305-308 (2001)
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[Publications] 仲尾次弘 ほか: "那覇市の市街地における気温分布の実測"日本建築学会九州支部研究報告. 第40号・2. 321-324 (2001)