2000 Fiscal Year Annual Research Report
空間設計の創造性を目指したデザイン手法の準実験的研究-空間「視点」と「仮想行動」に基づく設計教育方法の開発-
Project/Area Number |
11450221
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 鷹志 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20024234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伸也 新潟大学, 工学部, 教授 (50180641)
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Keywords | 設計教育 / デザイン / 「視点」 / 空間認知 / 設計方法 / CAD / 「仮想行動」 / 創造性 |
Research Abstract |
空間の設計では、設計者自身が空間を見る目・「視点」と空間に想定する人の行動・「仮想行動」を設定していると考えることができ、この「「視点」・「仮想行動」のあり方や見る対象に、個々の設計方法を区別し、その偏りを明らかにする鍵が潜んでいる。本研究は、この「視点」・「仮想行動」を用いた教育手法を試行・分析して、創造的空間設計のための独創的教育手法の開発を目指すものである。今年度は、平成11年度にCAADを用いた教育unitの試行を行った。この試行の前後で、CAADによる図形データと設計内容を示すプロトコルデータ(スケッチ・CAADファイル・インタビューによる設計説明・模型他)を集めた。さらに、アンケート調査を行い、設計の進行状況を把握した。このデータ収集にあたっては、教育unit試行前後に創られる空間イメージの変化と「視点」・「仮想行動」の操作との関連に注目して行った。 設計課題の評価に基づいて、調査対象とした8名の学生を、成績の上位グループ・中位グループ・下位グループの3つに分け、評価と設計プロセスとの創刊を捉えた。 1)CAADによる設計では、スケッチに比べて空間の疑似体験が充実していた。しかし、スケッチに比べて「のぞく」「垣間見る」といった見方が減少しており、CAADによる空間把握が空間の視点に偏りの大きいことが捉えられた。 2)CAADによって、操作する空間の数が多く、そこで想像される行為の種類も増加する傾向を持っていた。特に、空間内での仮想行為は、より現実的な行動をより多く展開していくという傾向を持っていることがわかった。 3)設計の後期に視点の操作に関する練習を行った。その結果、CAADに習熟した学生が想像する行為の種類がさらに増えていることが、スケッチとの比較で認められた。
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