2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450231
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 康夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (60026284)
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Keywords | 王都 / 中世 / 都市 / 環境 / 琉球 |
Research Abstract |
(1)今年度、重点を置いたのは、中国・南宋の環境思想(八景・十境・市中の隠)の将来と伝播に関して、中近世の琉球王国の首都である首里とその外港である那覇を中心的な対象として中国や朝鮮、日本との交流について検討することであった。琉球王国の成立にともなう王都・首里の荘厳という観点から、国家的な意味をもつ禅宗寺院伽藍の建立、首都の景観整備などの実態を明らかにした。とくに15世紀中ごろの仏教興隆の実態を、金石文の詳細な分析によって具体的に解き明かすことができた。また熊野信仰の伝来についても考察を進め、琉球八社とその神宮寺の成立についても考察を加えた。そのうえで琉球への八景・十境理念の伝播の経過、その内容を解明し、それらが禅宗とその文化の伝来と言うよりも、琉球王国の外交や文化導入、王都の荘厳と深くかかわっていることを示した。東アジア世界の交流は、国家間の交流であるとともに、都市間の交流でもあり、「王都」の特質を把握するために、首里・那覇と京都・博多・堺のあいだの相互関係を、中央都市「王都」と地方中心都市とのあいだの相互作用とあわせて追求すべきであるとの見通しを得た。(2)天下統一を果たした織豊政権が、京都を換骨奪胎しつつ設けた新たな拠点「王都」の空間構造の特質について、「洛外拠点御所」の伝統との関連を通じて検討した。(3)鳥羽・白河・嵯峨、鎌倉・奈良などの都市空間の構造、また名所の成立と寺社参詣から「三都」の関係構造などについて、昨年度の知見を踏まえ、これまでの見解を再検討した。(4)比較のため近代北海道の首都というべき札幌の都市形成史研究をいっそう進めた。(5)日本中世「王都」の成立と展開に関する参考文献・資料・史料・絵画史料・地図の収集とデータ入力を行い、研究支援データベースを構築した。
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