1999 Fiscal Year Annual Research Report
磁気EXAFSによる希土類-遷移金属のスピン分極分布の研究
Project/Area Number |
11450236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
七尾 進 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60013231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 康裕 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80182955)
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Keywords | 希土類 / 遷移金属 / 磁性 / EXAFS / 磁気EXAFS / DyFe2 / Nd-FeーB / X線発光分光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、磁気EXAFSの高精度測定法と解析法を確立するとともに、磁気EXAFSの特徴を最大限に活かした磁気構造解析を行い、希土類-遷移金属合金におけるスピン分極分布を明らかにして、この合金の磁性の研究に貢献することである。本年度はこの目的のために、次のような研究活動を行った。 (1)物質構造科学研究所にて磁気EXAFS測定装置の整備と性能評価を行った。 その内容は、a)シールドを厳重にするとともに、サイズが大きく電極配置を改善したイオンチェンバー検出器を作製した結果、検出器系のSN比を5db程度改善することができた。b)測定用コンピュータシステムを改良し、測定時における無駄時間をできるかぎりなくした。c)Huber社のゴニオメーター部品を購入し、エネルギー分析用ゴニオメーターの製作を開始した。 (2)マシンタイムが少なかったために予定を変更し、Fe-K吸収端におけるDyFe2試料の磁気EXAFS室温測定によって、測定システムの改善度を確認した。また、この測定結果の再解析を行った。TbFe2のFe-K吸収端における磁気EXAFS測定を行ったが、統計精度が十分でなかったので次年度に再測定を行う予定である。 (3)Spring8において、Nd-Fe-B系の永久磁石合金に微量添加元素の磁気EXAFS測定の予備実験として、Tb等の元素を微量添加したNd-FeーB合金試料のMCDを測定した。この結果は、2000年春の金属学会で発表する予定である。 (4)3d遷移金属のK吸収端における磁気吸収の機構を探るために、Co金属のK吸収端におけるX線発光スペクトルの測定を行った。
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