2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450261
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榎 学 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70201960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 輝雄 物質・材料研究機構, 理事長(研究職)
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Keywords | 金属間化合物 / 積層材料 / 微視破壊 / 破壊靱性 / き裂進展 / 高靭化機構 |
Research Abstract |
近年材料に対する要求が高度多様になっている.金属間化合物は軽量,優れた力学的特性,耐酸化性に優れており高温構造材料として期待されているが,延性に乏しく脆性であるので単体での使用が制限される.しかし,延性な金属と金属間化合物を積層することで,新しい特性を発現させ,また特定の方向の破壊抵抗を向上させることが可能であると考えられる.このような金属/金属間化合物積層材料を作製する方法の1つに燃焼合成法があり,本研究室においてもNi/Ni-Al, Ti/Ti-AlやNb/Nb-Al積層材料の研究を行ってきた.しかし,ホットプレスによる試験片作製時に金属間化合物相中に空孔が発生し破壊挙動に影響を与えて,強度が低下する.そこで,本研究では(1)積層させる金属シートを薄くすることにより空孔を減少させた積層材料の作製,(2)加熱・加圧条件によって生成する金属間化合物相を変えた積層材料を作製することを試みた.このように金属間化合物の優れた力学的特性を生かした材料を作製することを目的とし,さらに作製した積層材料の力学的特性並びに破壊機構を解明することも目的とした. Ni箔とAl箔を重ね合わせホットプレスで燃焼合成法を利用してNi/Ni-Al積層材料を作製し,加熱・加圧条件を変化させることで金属間化合物の組成を変えることに成功した.また,引張試験において金属間化合物の組成を変えることで引張強さ並びに伸びを向上させることができた.さらに,き裂進展特性の評価を行い,き裂が前方か横方向へ偏向するかは,応力場を用いたき裂進展方向のクライテリオンから予測できることがわかった.
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[Publications] 遠山暢之, 榎 学, 秋宗淑雄, 岸 輝雄: "Si-Ti-C-O繊維結合型セラミックスにおける遊離炭素層の酸化挙動"日本セラミックス協会学術論文誌. 109(2). 143-148 (2001)
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[Publications] 朴 永朝, 榎 学: "延性/脆性積層材料のき裂進展に関する数値解析的アプローチ"日本金属学会誌. 65(11). 1002-1007 (2001)