2000 Fiscal Year Annual Research Report
介在物含有材料の高温クリープ機構の統一的解釈-塑性ひずみ緩和機構の再検討-
Project/Area Number |
11450264
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Research Institution | Institute of Space and Astronautical Science |
Principal Investigator |
佐藤 英一 宇宙科学研究所, 宇宙輸送研究系, 助教授 (40178710)
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Keywords | 介在物含有材料 / 緩和機構 / マイクロメカニクス / 拡散緩和 / 塑性緩和 / 複合強化 / 複合材料 / 転位論 |
Research Abstract |
第二相を金属マトリクス中に分散させることは金属系材料の高温でも有効な強化法の一つである。このような第二相分散材料の高温クリープは、分散強化合金に対する転位論に基づくしきい応力の概念と、複合材料に対する連続体力学に基づく荷重移動の概念により理解されてきているが、両者は全く異なったクリープ挙動を予測しており、一つの統一された理解はなされてこなかった。この両概念の違いは、塑性ひずみ不一致の緩和機構の違いに由来するものであり、分散強化合金では界面周りの拡散とすべりにより完全に緩和されるのに対し、複合材料では事実上拡散緩和が生じず、マトリクスの不均一変形による塑性緩和が必要となる。本研究では、この両方のメカニズムを一つのモデル材料で発現させて、第二相分散材料のクリープ機構の統一的理解を得ることを目的とした。 上記目的のため、拡散緩和速度が実験可能領域にあり、界面剥離等の生じない材料として、Ti-T-B in-situ複合材料を選択した。純TiとTiB_2粉末から、混合、CIP、焼結、押し出し、スエージングにより、TiBウィスカがよく配向した材料を作製した。β温度領域で、圧縮クリープ挙動を調べた。ひずみ速度と応力の両対数プロットは、明確にS字状の挙動を示した。すなわち、極低応力域で応力指数4.5程度、活性化エネルギー300kJ/molの完全拡散緩和領域、中間応力域で2程度と135kJ/molの拡散緩和律速領域、高応力域で4.5と210kJ/molの塑性緩和領域である。また、完全緩和領域と拡散緩和律速領域では体積分率依存性は見られなかったが、塑性緩和領域では大きな体積分率依存性が見られた。この結果は、上記の理論的考察によく符合するものであり、初めて一つの材料で拡散/塑性緩和機構の発現を実証したものである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] E.Sato,T.Ookawara,K.Kuribayashi,S.Kakma: "On Plastically-accommodated creepin an inclusion bearing material"Materials Science and Engineering. A285. 293-297 (2000)
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[Publications] E.Sato and K.Kuribayashi: "Dislocation Movement around an Inclusion during Plastically-Accommodated Creep at High Temperatures"Metals and Materials. 6. 1-5 (2000)
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[Publications] E.Sato and K.Kuribayashi: "Dislocation Activity in Plastically-Accommodated Creep in an Inclusion Bearing Material"Key Engineering Materials. 171-174. 285-290 (2000)
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[Publications] K.Kawabata,E.Sato,K.Kuribayashi: "High Temperature Deformation with Interfacial on Plastic Accommodation in Spherical Al_2O_3 Particle Dispersed Al-Matrix Composite"Key Engineering Materials. 171-174. 321-328 (2000)
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[Publications] 佐藤英一: "第二相分散材料の塑性緩和クリープ:Impotent Eigenひずみを生じる転位の定常的運動"まてりあ. 39. 434-437 (2000)
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[Publications] K.Kawabata,E.Sato,K.Kuribayashi: "Creep Behavior of in-situ TiB Fiber Reinforced Ti Matriy Composite"Proceedings of Creep and Fracture of Engineering Materials and Structures. (to be published). (2001)