2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11450265
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
渡辺 雅人 財団法人 電気磁気材料研究所, 薄膜材料グループ, 主任研究員 (40249975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 英二 財団法人 電気磁気材料研究所, 機能材料グループ, 研究員 (40201694)
中山 孝文 財団法人 電気磁気材料研究所, 機能材料グループ, 主任研究員 (40164363)
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Keywords | Fe-Pt系合金 / 永久磁石 / 規則相合金 / 最大エネルギー積 / 精密鋳造法 / 単結晶 / 結晶方位 |
Research Abstract |
本年度は、中心組成であるFe-39.5at%Pt-0.75at%Nb合金を用いて単結晶作製を試みた。鋳型材は従来使用しているマグネシア系の、比較的熱伝導率が低いものを用い,円柱または円錐状に鋳造して母材とした。 本系合金は、正方晶化に伴う歪みを緩和するため、双晶が非常に形成され易く、タンマン・ブリッジマン法等は有効でない。そこで、母材鋳造時、チル床を用いて鋳型に温度勾配を設け、さらに多段熱処理を組合わせる等の方法によって、結晶粒の粗大化を図り、単結晶の成長を促進した。その結果、最大で約3mm角の結晶粒が得られたが、結晶方位との相関から、特性測定用試料は約1.5mm角程度の小さなものとなった。この試料を用い、VSMによって磁気特性を測定したところ、前に得られたと同様、結晶方位依存性が示唆され〈111〉方向の磁化が高くなる傾向が観察された。 なお、これとは別に、比較的低い温度で単結晶が得られると考えられる「溶液成長法」による単結晶作製も試みた。溶媒物質としてFeおよびPtと合金化すると融点が非常に低下するBとの3元合金を作製し、温度勾配を設けた成長炉中でFe-Pt結晶の析出を目指したが、現段階では単結晶の成長に至らなかった。温度分布が適切でなかったためと考えられる。 最終年度はこれらの結果を参考に、より大きな単結晶作製を目指し、その結晶構造、格子定数、規則度等を求める。また、結晶組織、微細構造をTEMによって観察し、磁気特性の結晶方位依存性を明らかにしていきたい。
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