1999 Fiscal Year Annual Research Report
変調操作を用いた非定常状態の積極利用によるULSI積層配線作製プロセスの高度化
Project/Area Number |
11450269
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
霜垣 幸浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60192613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 隆之 株式会社 半導体先端テクノロジーズ, 主任研究員
濱村 浩孝 東京大学, 大学院・工学系研究科, 日本学術振興会・特別研究員
|
Keywords | CDV / バリアメタル / 変調操作 / 核発生 / 薄膜成長 / 結晶化 / 不純物制御 / 比抵抗 |
Research Abstract |
本研究は従来定常的な操作により行われてきたCVD法による薄膜合成の系に対して,操作条件を周期的に変化させる変調操作の概念を導入し,作製プロセスの高度化を目指すものである。平成11年度はTiN薄膜の合成系に対して,変調操作を用いたCVD法の有効性を検討した。TiCl_4とNH_3を原料とするTiN薄膜合成系ではステップカバレッジ(ミクロンサイズの段差部への製膜)が均一な条件では膜中の残留不純物が多く,比抵抗が高いが,ステップカバレッジの悪い条件では良好な膜特性を得ることができる。そこで,変調操作を用いてステップカバレッジが良く,膜特性も良いプロセスの構築を検討した。具体的には,ステップカバレッジの良い条件で,TiCl_4の流量を周期的に変調してTiNが合成される時間とNH_3によりTiN薄膜がアニールされる時間を交互に繰り返す操作を行った。薄膜の形成速度や膜中不純物,結晶性などに対して,上記変調操作の周期が与える影響を検討した結果,少なくとも膜中不純物の低減,比抵抗の低減に効果のあることが確認された。本来の検討種目である核発生の促進,結晶性の制御などについては明瞭な効果が検討範囲内では得られなかったが,結晶性については配向性の変化が多少観測された。成長条件のより広範な探索などにより良質な薄膜を得る条件を見いだすことを中心に次年度に検討を深める予定である。また,TiSiNなど3元系の薄膜合成についても同様の検討を行い,ULSI用積層配線形成工程の高度化を目指す。
|